三保造船、比商船大学用の航海練習船を建造

国際的労使協力プロジェクトの一環

2018/08/28

 三保造船所(本社:静岡県静岡市清水区)は8月9日、国際船員労務協会向け70M型航海練習船の進水を行った。

 進水した70M型航海練習船は、国際船員労務協会と船員組合である全日本海員組合およびフィリピン船舶職員部員組合(AMOSUP)で共同管理する基金を活用して建造される、世界にも類を見ない労使協力プロジェクトの一環で、AMOSUPが運営するフィリピンの商船大学において、船員をめざす学生の航海実習などに利用される。進水式は台風の影響を考慮し、8日に命名式、9日に進水を行った。

 三保造船所は1919年(大正8年)の創立以来、およそ100年に渡って漁船を中心に官庁船(調査船、実習船、取締船等)、貨物船、特殊船などの小型船を建造しており、1,400隻を超える実績を有している。技術的、社会的に優れた船を選ぶ“シップ・オブ・ザ・イヤー”を過去3度受賞するなど高い技術力が特徴である。これまでの豊富な建造実績に加え、コスト競争力や、グループ会社の常石造船が運営するフィリピンの造船拠点を活用した就航後のメンテナンスサービス体制などが評価を受け、本船の受注に至った。

 三保造船所は今後も漁船、官庁船、商船など幅広いラインナップと良質な船づくりで、地域の発展と海事産業へ貢献していく方針である。

<本船主要目>
船名  : キャピタン・グレゴリオ・オカ(AMOSUP創始者の名前から命名)
船種  : 70M型航海練習船
全長  : 78.69メートル
船幅  : 12.00メートル
深さ  : 5.55メートル
満載喫水  : 4.7メートル
載貨重量トン: 1,400メトリックトン
総トン数: 1,750 グロストン
主機  : 1,471 kW × 1 set
航海速力  : 13.8 ノット
最大搭載人数: 138 名
発注者 : 国際船員労務協会

<三保造船所の概要>
 大正8年6月、風光明媚な三保の地に遠洋漁業船の建造、修繕を目的として創立され、漁船のトップメーカーとして1,400余隻の船を世界の海に送り出してきた。
URL:http://www.mihozosen.co.jp/
代表取締役社長:鈴木 健悟氏
事業内容:漁船、漁業取締船、官庁船、商船など小型船舶の建造と修繕
創業:1919年(大正8年)6月
従業員:158人(2018年4月1日現在)
(18年8月27日の株式会社三保造船所ニュースリリースより)。