ペソ対米ドルレート、2018年年間で5%下落

6年連続下落、9月末には13年ぶりのペソ安水準

2019/01/02

 フィリピン銀行業界発表によるペソ対米ドルレートは、2018年終値(12月28日)が1米ドル=52.580ぺソとなり、2017年終値49.930ペソから2.650ペソ、率にして5.04%の急落となった。年間ベースでは6年連続のペソ下落となった。

 2018年は、
米国の継続的な利上げ、米中貿易摩擦のエスカレート、フィリピンの対外収支、特にフィリピンの強みであった経常収支黒字というパターンが崩れ赤字が拡大していること、財政収支悪化、政治的軋轢などが響き、ペソ安が進行、9月26日には54.325ペソまで下落、終値ベースでは2005年11月22日の54.425ペソ以来、約13年ぶりのペソ安水準へと落ち込んだ。

 10月以降はフィリピンでも利上げピッチが高まってきたこと、例年フィリピン人海外就労者(OFW)からの送金が増加するクリスマスシーズンが近づいてきたことなどから、ペソが若干反発、10月後半は53ペソ台の動きへと変わった。11月7日には3カ月ぶりに52ペソ台を回復、それ以降はほぼ52ペソ台の動きとなったが、10月までの急落が響き年間では大幅なペソ安となった。

ペソ対米ドルレートの動き(年末値、2018年12月28日終値)
時期 年末・月末値 上昇率
2004年 56.280ペソ -1.39%
2005年 53.090ペソ 6.01%
2006年 49.030ペソ 8.28%
2007年 41.280ペソ 18.77%
2008年 47.520ペソ -13.13%
2009年 46.200ペソ 2.86%
2010年 43.840ペソ 5.38%
2011年 43.840ペソ 0.00%
2012年 41.050ペソ 6.80%
2013年 44.395ペソ -7.53%
2014年 44.720ペソ -0.73%
2015年 47.060ペソ -4.97%
2016年 49.720ペソ -5.35%
2017年 49.930ペソ -0.42%
 
2018年  1月末 51.295ペソ -2.66%
2月末 52.100ペソ -1.55%
3月末 52.160ペソ -0.12%
4月末 51.740ペソ 0.81%
5月末 52.520ペソ -1.49%
6月末 53.340ペソ -1.54%
7月末 53.095ペソ 0.46%
8月末 53.475ペソ -0.71%
9月末 54.020ペソ -1.01%
10月末 53.535ペソ 0.91%
11月末 52.450ペソ 2.07%
12月末 52.580ペソ -0.25%
2018年12カ月間 - -5.04%
(出所:フィリピン銀行協会やフィリピン・ディーリング・システム資料より作成)