長大、比で二国間クレジット(JCM)事業推進

東京センチュリーとともに啓蒙・普及活動も

2019/04/04

 総合建設コンサルタントの長大(本社:東京都中央区、東証一部上場:証券コード962)は、2月19日に、フィリピンのマニラで開催された「フィリピンにおける低炭素技術の普及のためのJCMワークショップ」に参加、講演のために登壇した。 本ワークショップは日本環境省、フィリピン環境天然資源省(DENR)ならびに公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)の共催で開催された。 

 二国間クレジット制度(JCM)は、途上国への温室効果ガス削減技術や製品、システム、インフラ等の普及や対策を通じて実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成に活用するものである。 フィリピンとは、2017年1月12日に合意し、フィリピンは17国目の署名国となった。 

 今回、フィリピンで開催された本ワークショップは、比国における JCM を通じた低炭素技術のさらなる普及に向け、JCM設備補助といった資金支援事業や、関連する施策の理解を深めることを目的として実施された。 ワークショップでは、「COP24の結果とパリ協定」、「JCMの最新動向と設備補助事業」に関する発表が行われ、 長大からはJCM設備補助事業を活用し、フィリピンで具体的なプロジェクトを実施している民間企業の代表として東京センチュリーと共に登壇、講演を行った。ワークショップには政府関係者、民間事業者など約70名が参加。JCM設備補助を活用した具体的な案件組成や実施方法等について活発な議論が行われた。 

 これまで、フィリピンでは計8件(2018年6月25日現在)のJCM設備補助案件が採択されており、長大は、2017年よりミンダナオ島タギボ川4MW小水力発電事業を、2018年よりミンダナオ島ブトゥアン市2.5MWもみ殻発電事業およびミンダナオ島タギボ川上水供給施設0.16MWマイクロ水力発電事業の計3件について代表事業者と してプロジェクトを実施中である。 

 講演は長大の事業推進本部事業企画部が行い、はじめに長大グループの紹介および長大グループの成長戦略と再生可能エネルギー事業の取り組みを紹介した後、上記のJCM設備補助を活用した再生可能エネルギー事業について講演した。講演後は、民間事業者を中心に具体的な案件組成やアプローチ、JCM設備補助の 活用等、各種ファシリティの活用やコンサルティング・サービス等について活発な質疑やコメントがあり、改めてフィリピンにおけるJCMおよびファシリティ活用への関心の高さを窺う事が出来た。 

 長大はこれまで、雇用不足と和平問題が根深く存在するミンダナオ島において、同島北東部カラガ地域の中心都市ブトゥアン市を拠点とし、同市に本拠地を置くエクイパルコ・コンストラクション・カンパニー(エクイパルコ社)、およびツインピーク・ハイドロ・リソーシス・コーポレーション(ツインピーク社)と共に、様々な事業を通して地域の経済開発に貢献してきた。また、JCM設備補助案件に先行し着工したアシガ川8MW小水力発電事業については、エクイパルコ社、ツインピーク社と共に長大も出資参画し事業を推進してきた。当該事業については、昨年に施設を竣工し既に商業運転を開始している。

 長大は、一貫して日本に関係する主体が可能な限り関与・協働する機会を創出し、日本からのヒト・モノ・カネを取り込んでいくつなぎ役を実践してきた。引き続き、日本政府が推し進める質の高いインフラ輸出や低炭素 社会の構築にも沿う形で事業の推進を図り、低炭素型経済開発を通して地球温暖化対策や日本国による温室効果ガス(GHG)排出削減量獲得に貢献して行く方針である。また、日本の政府系機関や地方自治体、民間企業の参画機会を最大限に増やすべく、日本や日本企業とのつなぎ役としての機能を担いながら、ブトゥアン市周辺エリアをはじめ、ミンダナオ島の経済発展に強く貢献をしていきたいとも考えている(19年4月3日の株式会社長大ニュースリリースなどより)。