比トヨタ、第1四半期の帰属純利益18億ペソに

24.5%減少、売上は0.2%増の338億ペソ

2019/05/15

 大手商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)がトヨタ車事業を強化してきている。GTCAPは、トヨタ自動車の製造・販売拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP)の株式保有比率を51%に高めているほか、有力販社であるトヨタ マニラベイ(TMBC)の58.05%を保有している。さらに、2014年9月には、トヨタ ファイナンシャルサービス フィリピン(TFSPC)株式40%を取得した。

 これらのトヨタ関連各社は各々存在感を強めている。特に、TMPの強さが際立っており、2018年まで17年連続の3冠王(総合販売台数、乗用車販売、商用車販売いずれも首位)となっている。ただ、2018年のTMPの業績は、車両税改定(大半の車種が増税)にくわえ、インフレ率上昇による実質購買力の低下、金利上昇という業界全体へ逆風の影響を受けるかたちとなった。
 
 5月14日発表のGTCAP事業報告書によると、2019年第1四半期(1月~3月)のTMPの卸売ベースの販売台数は前年同期比(以下同様)4%減の3万2,394台、小売ベースの販売台数も3%減の3万3,554台となった。いくつかの車種のモデルチェンジを控えての買い控えなどが響いた。市場シェアは34.6%と依然高水準ながら前年同期の35.5%から小幅低下した。
 
 これらの結果、売上高は0.2%増の338億ペソにとどまった。損益面では、販売台数減少に加え、減価償却費増加、販促費・宣伝費の増加などにより、営業利益は16.9%減の26億0,260万ペソ、帰属純利益は24.5%減の17億8,240万ペソへと減少した。微増収減益となったものの、売上高や利益額は依然高水準であるし、厳しい環境下としては、底堅い業績推移であったといえる。
 
 下表の様に、年間ベースの帰属純利益は2013年が前年比50%増の42億ペソ、14年が同71%増の72億ペソと連続で急増した。そして、15年には100億ペソの大台を突破、さらに、16年、17年と続伸し、3年連続で100億ペソの大台を突破した。2018年は一時的要因で減益となったものの、積極的な新車投入、販売ネットワーク強化などを進めており、2019年以降再上昇基調となることが期待される。


                               トヨタモーター・フィリピン(TMP)の業績等の推移(単位:百万ペソ)
13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年1Q 伸び率
売上高 80,677 104,887 114,289 155,833 185,337 159,150 33,751 0.2%
粗利益 10,257 14,629 18,299 21,072 23,059 16,695 4,060 -3.6%
営業利益 5,719 9,859 13,910 15,669 16,798 10,378 2,603 -16.9%
帰属純利益 4,219 7,209 10,195 11,929 13,186 7,952 1,782 -24.5%
総資産 23,750 26,681 32,278 36,003 42,158 36,428 38,174 4.8%
株主資本 9,286 11,923 15,228 17,49 19,148 15,238 17,067 12.0%
(出所:GTキャピタル事業報告書などより作成)