比ヤクルト最速級の成長継続、世界第5位の市場に

第1四半期の1日販売数量、6%増の324万本

2019/05/16

 ヤクルト本社は、5月14日、乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」をはじめとする乳製品の世界1日平均販売本数が、2019年3月期に初の4,000万本台を突破したと発表した。国内で954万本、海外で3,113万本、合計で 4,067万本となった。 現在、「ヤクルト」をはじめとする乳製品は、日本を含むアジア・オセアニア、米州、欧州の世界39の国と地域で愛飲されている。

 そのなかで、フィリピンの好調さが目立つ。フィリピンでの1日平均販売数量はフィリピンでは、2014年17.7%増、2015年14.0%増、2016年14.5%増、2017年12.7%増、そして2018年11.8%増と5年連続の二桁増を記録するとともに、世界の主要市場でトップクラスの伸び率を継続している。そして、2007年に同100万3千本と百万本の大台突破、2015年に同213万9千本で二百万本突破、2018年は三百万本台突破と順調に拡大している。

 5月14日発表のヤクルト本社2019年3月期本決算補足説明資料によると、2019年第1四半期(1月~3月)のフィリピンヤクルトの一日当り販売数量(速報値)は前年同期比6%増の324万3千本に達した。フィリピンの前年同期比6.0%増という伸び率は、1日当たり50万本以上の規模の主要市場においては 、インドネシアの6.5%増に続く第2位の伸びであった。
 
 フィリピンの販売数量は、海外市場では中国の597万4千本、インドネシアの561万1千本、メキシコの397万本6千本に次ぐ第4位となった。海外4位であった韓国の289万本を追い抜き、日本を含む世界第5位の市場へと浮上した。そして、フィリピンでは需要が好調であり生産能力増強を図りつつあるが、需要拡大ピッチに追い付かず一部出荷制限を行わなければならない状況が続いてきた。このような供給面での制約がなければ、販売伸び率はさらに高くなっていると考えられる。需要増に対応すべく、ミンダナオ島に第2工場を建設しつつある。

 フィリピンでは、ヤクルト本社が40%出資するフィリピン ヤクルト(持分法適用会社)が、1978年10月から営業を行っている。すなわち、昨年40周年を迎えたのである。ヤクルトの海外発売時期としては、1964年の台湾、1968年のブラジル、1969年の香港、1971年の韓国とタイに次ぐ歴史を有している。現在は、ヤクルトとヤクルトライトを製造販売している。
 
 フィリピン ヤクルト2017年末の従業員数は1,342人、ヤクルトレディは3,458人、取引店は15万8,887店、工場はラグナ州カランバ市に立地している。日本と同基準の厳しい品質管理の下に製造された「ヤクルト」を1本約20円という低価格で販売している。「ヤクルト」は、医薬品を購入する余力のない低所得層にとって安価な栄養食品であり、庶民の強い味方として知名度も高まっている。


 フィリピンヤクルトの1日当たり販売数量推移(単位:千本、伸び率:%)
07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年  19年1Q
数量 1,003 1,217 1,299 1,220 1,295 1,502 1,594 1,877 2,139 2,449 2,762 3,088 3,243 
伸び率 5.7 21.4 6.9 -6.1 6.2 15.9 6.2 17.7 14.0 14.5 12.8 11.8  6.0
(出所:ヤク ルト本社決算発表補足資料などから作成)

ヤクルト海外乳製品売上数量(1日当たり本数、単位:千本/日. 伸び率:%)
国名 連結
区分
19年1月~3月(速報値)
売上数量 前年同期比伸び率
フィリピン 持分法 3,243 6.0
台湾 持分法 611 11.0
香港 連結 454 -0.5
タイ 持分法 2,226 -1.4
韓国 持分法 2,890 -9.3
シンガポール 連結 226 0.5
インドネシア 連結 5,611 6.5
オーストラリア 連結 250 8.9
マレーシア 連結 340 7.0
ベトナム 連結 434 45.5
インド 連結 215 8.3
中東 連結 18 12.1
中国 連結 5,974 1.0
アジア・オセアニア計
(連 結 合 計)
22,492 2.3
13,522 4.6
 
ブラジル 連結 1,662 -9.1
メキシコ 連結 3,976 5.8
米国 連結 371 12.8
米州計 6,009 1.5
 
ヨーロッパ計 660 -6.1
 
合        計
(連 結 合 計)
29,161 2.0
20,191 3.3
(出所:ヤクルト本社の連結決算発表補足資料より、 タイの決算月5月、インドの決算月3月 )