比イオンファンタジー、今上半期20%増収に

麻疹流行で既存店は減収、営業利益82%減少

2019/10/10

 株式会社イオンファンタジーは海外でも、フィリピン、中国、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムにおいて、ファミリー向けアミューズメント施設およびインドアプレイグラウンドの直営展開を進めるとともに、香港、カンボジアにおいて、ライセンス契約およびフランチャイズの店舗を展開している。
 
 フィリピンにおいては、2014年5月に子会社「イオンファンタジー・フィリピン」が設立された。同年11月に、イオンファンタジーキッズーナ・フィリピン1号店がマニラ首都圏ケソン市のショッピングモール「ロビンソンズ・ガレリア」内にグランドオープンした。その後、マニラ首都圏を中心としたドミナント化を推進するとともに、セブ、ダバオなど首都圏以外での出店も積極化させつつあり、2019年度上半期末(8月末)の店舗数は55店に達し、前年同月末の45店から10店、率にして22%の増加となった。そして、ASEAN諸国の中では、マレーシアの92店に続く第2位の店舗数となっている。

 店舗数の増加とともに売上高も順調に拡大してきている。このほどイオンファンタジー本社が発表した2019年度上半期(2019年3月~8月)の連結決算発表の補足資料によると、フィリピン事業の同期間の売上高は前年度同期比(以下同様)19.6%増の7億7,400万円へと二桁増加した。ただし、二桁増収は新店効果によるものであり、既存店売上高は3.7%減少した。麻疹(はしか)の流行などによる来場者伸び悩みが響いた。既存店の売上高伸び悩みにくわえ、経費増加により店舗利益が14.8%減の7,500万円、営業利益は82.3%減の600万円へと急減した。

 麻疹流行の影響などで上半期は大幅営業減益となったが、上半期中の11店舗の活性化(遊具・玩具の刷新、店内照明追加)、店舗オペレーション(遊具毎の接客スキル、 デイリーイベント魅⼒向上)教育の実施などの効果が顕在化しており、損益の回復が期待できる状況である。。ちなみに、2018年度通年のフィリピン事業の売上高は同57.5%増の10億7,900万円、店舗利益が同70.5%増の1億6,200万円、営業利益が同11倍の2,200万円へと急増している。
 
 なお、イオンファンタジーは、2018年度から2020年度までの中期3カ年計画において、アジアシフトの加速を掲げており、アジア店舗数を2017年度の389店の1.9倍の730店とする方針である。特にフィリピンにおいては2017年度比2.1倍の81店と高い伸びを目指している。フィリピンは、年間人口増加率が約2%、9歳以下の人口が2割(2千万人)以上と高く、子供向けアミューズメント施設需要の急拡大が期待できる