ペソ10カ月間で3.6%上昇、22カ月ぶりのペソ高に
株価指数6.9%上昇、不動産株15%上昇で牽引役に
2019/11/04
フィリピン銀行協会(BAP)データによると、ペソ対米ドルレートは、2019年10月末に、終値1米ドル=50.740ぺソとなり、前月末から1.090ペソ、率にして2.15%のペソ高となり、2018年1月19日の1ドル=50.720ペソ以来のペソ高となった。米中貿易摩擦の緩和期待、米国の連続利下げの動きなどが約22カ月ぶりのペソ高につながった。10月の終値ベースで最もペソ高となったのは31日の1ドル=50.740ペソ、最もペソ安となったのは、2日の1ドル=51.940ペソだった。
2019年年初10カ月間では3.63%のペソ高となった。米国での金融緩和への転換やその後の連続利下げの動きなどが寄与している。10カ月間の終値ベースで最もペソ高となったのは10月31日の1ドル=50.740ペソ、最もペソ高となったのは1月22日の1ドル=52.930ペソであった。
ペソ対米ドルレートの動き(年末値、2019年10月31日終値)
(出所:フィリピン銀行協会資料より作成)
一方、フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2019年10月末値は7,977.12ポイントとなり、前月末と比べて2.55%上昇した。 10月は、米中貿易摩擦緩和期待や国内外での金融緩和の動きなどを背景に堅調な動きとなり、一時は8千ポイント台を回復する場面もあった。しかし、フィリピンGDP成長率下方修正の動きが続いたことなどで利食いの動きも活発化、8千ポイント台定着には至らなかった。
PSEiは2019年年初10カ月間では6.85%の上昇となった。国内外での金融緩和の動きや外国人投資家が小幅ながら買い越しに転じたことなどが寄与した。大分類セクター別指数は工業株指数(-4.4%)を除く全てが上昇。上昇率の大きいものから、不動産株+15.0%、鉱業・石油株(資源株)+12.4%、金融株+7.8%、持株会社株+6.7%、サービス業株+4.9%。金融緩和の動きのなかで、金利敏感株の代表的存在である不動産株の堅調な動きが目立っている。
10カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比9.6%増の73億8,600万ペソであった。外国人は83億4,600ペソの買い越しで、前年同期の963億7,700万ペソの売り越しから転じた。外国人の売買額シェアは55%、前年同期の51%から上昇した。
10月末のPSE時価総額は16兆9,589億ペソ、そのうち国内企業時価総額が14兆3,496億ペソであった。なおPSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は17.03倍となり、前年同月末の17.06倍から僅かに低下した(PSE取引記録などより)。
PSE指数の動き(年末値/月末価、19年10月31日現在)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)
2019年年初10カ月間では3.63%のペソ高となった。米国での金融緩和への転換やその後の連続利下げの動きなどが寄与している。10カ月間の終値ベースで最もペソ高となったのは10月31日の1ドル=50.740ペソ、最もペソ高となったのは1月22日の1ドル=52.930ペソであった。
ペソ対米ドルレートの動き(年末値、2019年10月31日終値)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2010年 | 43.840ペソ | 5.38% |
2011年 | 43.840ペソ | 0.00% |
2012年 | 41.050ペソ | 6.80% |
2013年 | 44.395ペソ | -7.53% |
2014年 | 44.720ペソ | -0.73% |
2015年 | 47.060ペソ | -4.97% |
2016年 | 49.720ペソ | -5.35% |
2017年 | 49.930ペソ | -0.42% |
2018年 | 52.580ペソ | -5.04% |
2019年 1月末 | 52.120ペソ | 0.88% |
2月末 | 51.700ペソ | 0.81% |
3月末 | 52.500ペソ | -1.52% |
4月末 | 52.105ペソ | 0.76% |
5月末 | 52.160ペソ | -0.11% |
6月末 | 51.240ペソ | 1.80% |
7月末 | 50.890ペソ | 0.69% |
8月末 | 52.050ペソ | -2.23% |
9月末 | 51.830ペソ | 0.42% |
10月末 | 50.740ペソ | 2.15% |
10カ月間 | - | 3.63% |
一方、フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2019年10月末値は7,977.12ポイントとなり、前月末と比べて2.55%上昇した。 10月は、米中貿易摩擦緩和期待や国内外での金融緩和の動きなどを背景に堅調な動きとなり、一時は8千ポイント台を回復する場面もあった。しかし、フィリピンGDP成長率下方修正の動きが続いたことなどで利食いの動きも活発化、8千ポイント台定着には至らなかった。
PSEiは2019年年初10カ月間では6.85%の上昇となった。国内外での金融緩和の動きや外国人投資家が小幅ながら買い越しに転じたことなどが寄与した。大分類セクター別指数は工業株指数(-4.4%)を除く全てが上昇。上昇率の大きいものから、不動産株+15.0%、鉱業・石油株(資源株)+12.4%、金融株+7.8%、持株会社株+6.7%、サービス業株+4.9%。金融緩和の動きのなかで、金利敏感株の代表的存在である不動産株の堅調な動きが目立っている。
10カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比9.6%増の73億8,600万ペソであった。外国人は83億4,600ペソの買い越しで、前年同期の963億7,700万ペソの売り越しから転じた。外国人の売買額シェアは55%、前年同期の51%から上昇した。
10月末のPSE時価総額は16兆9,589億ペソ、そのうち国内企業時価総額が14兆3,496億ペソであった。なおPSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は17.03倍となり、前年同月末の17.06倍から僅かに低下した(PSE取引記録などより)。
PSE指数の動き(年末値/月末価、19年10月31日現在)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2008年 | 1,872.85ポイント | -48.29% |
2009年 | 3,052.68ポイント | 63.00% |
2010年 | 4,201.14ポイント | 37.62% |
2011年 | 4,371.96ポイント | 4.07% |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
2018年 | 7,466.02ポイント | -12.76% |
2019年 1月末 | 8,007.48ポイント | 7.25% |
2月末 | 7,705.49ポイント | -3.77% |
3月末 | 7,920.93ポイント | 2.80% |
4月末 | 7,952.72ポイント | 0.40% |
5月末 | 7,970.02ポイント | 0.22% |
6月末 | 7,999.71ポイント | 0.37% |
7月末 | 8,045.80ポイント | 0.58% |
8月末 | 7,979.66ポイント | -0.82% |
9月末 | 7,779.07ポイント | -2.51% |
10月末 | 7,977.12ポイント | 2.55% |
10カ月間 | - | 6.85% |
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年10月末終値 | 10カ月上昇率 |
フィリピン証券取引所指数 | -1.60% | 25.11% | -12.76% | 7,977.12 | 6.85% |
全株指数 | 4.15% | 20.06% | -9.46% | 4,787.45 | 5.97% |
金融株指数 | 6.76% | 34.71% | -20.19% | 1,918.40 | 7.78% |
工業株指数 | -3.45% | 5.46% | -2.49% | 10,470.94 | -4.39% |
持株会社株指数 | 5.92% | 23.23% | -14.79% | 7,830.30 | 6.65% |
不動産株指数 | 5.17% | 29.73% | -8.80% | 4,172.29 | 15.00% |
サービス業株指数 | -14.86% | 24.33% | -10.94% | 1,513.05 | 4.88% |
鉱業・石油株指数 | 13.72% | -3.00% | -28.71% | 9,216.52 | 12.39% |
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
項目 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 19年10月末 |
フィリピン証券取引所指数 | 6,840.64 | 8,558.42 | 7,466.02 | 7,977.12 |
年末時価総額(億ペソ) | 144,388 | 175,831 | 161,467 | 169,589 |
国内企業時価総額 | 118,732 | 144,908 | 135,437 | 143,496 |
外国企業時価総額 | 25,656 | 30,923 | 26,030 | 26,093 |
1日平均売買額(億ペソ) | 78.1 | 80.6 | 71.5 | 73.9 |
外国人の売買額シェア | 51% | 50% | 51% | 55% |
外国人買越額(億ペソ) | 22 | 562 | -609 | 83 |
PER(株価収益率) | 17.90倍 | 22.27倍 | 17.89倍 | 17.03倍 |