日本郵船の比商船大学、累計卒業生1,118人に

創立12年、フィリピン海技国家試験合格率100%

2019/11/27

 日本郵船がフィリピンでトランスナショナル・ダイバーシファイド・グループ(TDG)と共同運営する商船大学NYK-TDG MARITIME ACADEMY (NTMA)の卒業式典が11月22日、同校(マニラ近郊カランバ市カンルーバン)で行われた。今年卒業した第9期生119人を含め、卒業生は累計で1,100人を超えた。

 式典には羽田浩二駐フィリピン日本国大使やフィリピン海事産業庁のナルシソ A.ヴィンソン長官を初め多数の来賓を迎え、日本郵船取締役会長の内藤忠顕、TDGのJ.ロベルトC.デルガド会長らが出席し、卒業を祝福した。

なお、トランスナショナル・ダイバーシファイド・グループは、1976年に現会長のデルガド氏により設立された企業グループで、船舶の代理店業と船員供給・教育事業に加えて、航空事業や物流事業を行っている。日本郵船とは、設立時の1976年から協力関係にある。

 NTMAは、より質の高いNYK Qualityの船員の育成を目指して、日本の海運他社に先駆け2007年に開校し、今年で創立12周年を迎えた。開校当初から独自の奨学金制度を設け、大学への進学が困難な家庭環境の学生に就学の道を開いている。また卒業後のフィリピンの海技国家試験合格率が100%であることに加え、2011年8月に日本の国土交通省が創設した機関承認制度で海外における日本初の船員教育機関校として認定を受けるなど、商船学校として高い評価を得ている。2011年9月卒業の第1期生から今回の第9期生までの累計卒業者数は1,118人に達し、第8期生までの卒業生の多くが日本グループ運航船で航海士または機関士として活躍している。

<NYK-TDG MARITIME ACADEMY概要>
開校日:2007年6月3日
規模:学生(募集定員数) 航海科 60名 / 機関科 60名 1学年計120名程度
職員:約70名
場所:マニラ近郊カランバ市カンルーバン(マニラ市内から車で約1時間)
システム:3年間の講習と1年間の乗船実習の4年制
理念:学生個々の人格形成と実践的な海事技術の習得を中心にした世界に通用する船員の高等教育を行う。

 日本郵船グループはこれまで培ってきた船員育成の経験を活かし、将来の安全運航を担う幹部候補を育成すべく、今後もフィリピン人船員の「質」と「量」の充実を図っていく方針である (19年11月26日の日本郵船株式会社ニュースリリースより)。