GDP統計等の基準年度を2018年へと変更

昨年成長率6.0%に、最高2010年の7.3%

2020/04/22

 フィリピン統計庁(PSA)は4月20日、国内総生産(GDP)など国民勘定統計の基準年度を現行の2000年から2018年へと変更すると発表した。

 フィリピンの2000年基準(旧基準)は長らく変更されておらず、インドネシア、ベトナム、マレーシアの2010年基準、ラオスの2012年基準などと比べ古さが目立つことから、変更されることになった。今後のGDP統計などは、2018年基準(新基準)によるものが発表される。

 これに伴い、2000年から2019年までの年間及び四半期毎の産業別、支出別GDP成長率などが、新基準ベースで見直され、改訂が行われた。まず。直近の2019年のGDP実質(以下同様)成長率は、旧基準では5.9%であったが、新基準では6.0%へと上方改訂された。特に、第4四半期(10月~12月)が同じく6.4%から6.7%へと大幅上方改訂された。

 2001年から2019年までの19年間のGDP平均年間成長率は、旧基準の5.4%に対し新基準では5.5%となる。19年間で最高となった2010年の成長率は、旧基準では7.6%であったが、新基準では7.3%へと下方改訂された。一方、最低成長率はリーマン・ショック直後の2009年に記録されたが、旧基準での1.1%が新基準では1.4%へと上方改訂された。

 フィリピンのGDP実質成長率の推移(単位:%)
06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
2018年基準 5.3 6.5 4.3 1.4 7.3 3.9 6.9 6.8 6.3 6.3 7.1 6.9 6.3 6.0
2000年基準 5.2 6.6 4.2 1.1 7.6 3.7 6.7 7.1 6.1 6.1 6.9 6.7 6.2 5.9

(出所:フィリピン統計庁資料より作成)