債券上場ラッシュ、残高1兆5千億ペソ視野に

PDEx債券取引所への新規上場額2千億ペソ

2020/07/10

  フィリピン企業の債券類発行による資金調達の動きが活発化、それとともに、PDSグループのフィリピン・ディーリング&エクスチェンジ(PDEx)債券取引所(電子取引)への債券類の新規上場高が急ピッチで増加している。

 2020年上半期(1月~6月)のPDEx債券取引所への債券類新規上場の合計額は、前年同期比4.3%減の1,755億ペソ(16件)となった。前年同期比では小幅減少となったが、新型コロナ感染禍という状況下で比較的高水準であったといえる。また、2020年上半期末時点での上場債券残高は1兆4,200億ペソに達し、前年同期末の1兆1,900億ペソから19%の増加となっている。

 上半期最後の新規上場(今年16件目)は、6月26日のアヤラランド(ALI)の2年物固定利付社債100億ペソであった。下半期に入ると、7月2日に、BDOの残存期間1年9カ月の社債360億ペソ(今年17件目)、7月6日に、アボイティス・パワー(AP)の個人向け固定利付き社債95億5,000万ペソ(今年18件目)が上場された。

 これら18件により、7月6日時点の債券類新規上場額は2,210億5,000万ペソに達した。そして、7月6日時点の上場債券類残高は1兆4,700億ペソ(56社による201銘柄)に達し、1兆5千億ペソが視野に入っている。

 なお、フィリピンでは、株式や株式に絡んだ派生商品(ワラントなど)の上場、売買はフィリピン証券取引所(PSE)が管轄している。一方、債券やその他の固定利付き金融商品の上場、売買に関しては、上記のPDSグループPDEx債券取引所などが担当している。
 
 現在のPDSの株主構成は、フィリピン銀行協会(BAP)28.9%、PSE21%、シンガポール証券取引所(SGX)20%、タタ・コンサルタンシーサービス(TCS)アジア8.0%、ウィスラー・テクノロジーサービス8.0%、サンミゲル4.0%、フィリピン・アメリカンライフ&ジェネラルインシュアランス(フィーラムライフ)4%などである。