三菱商事、LRT1号線向けに120両納入開始

約300億円相当、2022年まで順次納入

2021/01/27

 マニラ首都圏軽量鉄道1号線(LRT-1号線)の南方延伸事業の建設進捗度は、2020年12月末時点で50.61%に達している。
 
 この延伸事業は、マニラ首都圏を南北に走る軽量鉄道LRT-1号線(全長18km)につき、現在の南端であるバクララン駅からカビテ州ニヨグまで約11.7km延伸するものである。このうち、車両調達、車両基地の整備について、円借款「マニラ首都圏大量旅客輸送システム拡張計画」(供与限度額約433億円)の一環として、ライトレール・マニラ・コーポレーション(LRMC)によって推進されつつある。

 このLRT延伸路線に使用される車両の納入が、三菱商事によって開始されつつある。三菱商事は、フィリピン運輸省より、LRT1号線向け鉄道車両を受注している。契約予定金額は約300億円となり、日本政府とフィリピン政府の間で締結された円借款契約により手当てされえる。供給する車両はスペイン最大手の鉄道車両メーカーであるConstrucciones y Auxiliar de Ferrocarriles, S.A.(CAF社)が日本製の機器類を採用して製造するもので、車両120両(30編成)を納入する。納入時期は2020年所から2022年初と予定されている予定している。

 車両を製造するCAF社は、ヨーロッパ有数の鉄道車両メーカーとして欧州のみならず北中南米・アジア・大洋州等の世界各地で車両を供給した実績があり、三菱商事とは長年にわたり良好なパートナーシップを築いてきた。近年ではトルコ・イスタンブール地下鉄向けの車両供給やオーストラリア・キャンベラ市交通システム建設事業等で協業している。

 なお、LRT1号線は、東南アジア初の都市鉄道として1984年に開業し、現在もマニラ市内の主要な公共交通機関としての役割を果たしてきている。日本は、開業後に需要増大に対応して行われた2度の機能拡張事業への支援を通じて、その運営に貢献してきた。本事業では、首都圏と郊外の間における移動の利便性が向上し、急速な人口増大、経済成長が進展しているマニラ首都圏の持続可能な発展へ寄与することが期待される。