住友鉱の比ニッケル事業、環境保護でも最高の評価
コーラルベイとTHPAL、鉱物産業環境大統領賞を受賞
2021/05/14
住友金属鉱山(住友鉱、本社:東京都港区)は、5月13日、「フィリピンの子会社であるコーラルベイニッケル社(CBNC)およびタガニート HPAL ニッケル社(THPAL)は、このほど、フィリピン環境天然資源省より『2020年鉱物産業環境大統領賞(PMIEA)』を受賞した」と発表した。
CBNCは今回6回目、THPALは初めての受賞となる。この受賞はプラントにおける環境管理、安全管理、地域環境保護および地域貢献などが評価対象となる金属製錬部門での受賞となる。PMIEAとあわせて、「最優秀鉱山安全賞」では、CBNCが最優秀賞、THPALがCBNCに次ぐ第2位、また「鉱業森林計画最優秀賞」では、THPALが最優秀賞、CBNCがTHPALに次ぐ第2位をそれぞれ受賞した。
PMIEAは、フィリピンの鉱物産業界において最も栄誉ある賞である。同賞の受賞は、CBNCおよびTHPALがフィリピンにおいて安全かつ環境に配慮した操業を継続していることが認められたものである。今後もCBNCおよびTHPALでは、周辺地域のインフラ整備、雇用の拡大、資材の現地調達などを通じた社会貢献、また、環境負荷を最小限に抑えた操業、環境事故の防止、CBNCで実現させたテーリングダムの緑化による生態系の回復など、生物多様性の保全を図りながら責任ある操業に努めて行く方針である。
なお、住友金属鉱山のフィリピンでの事業基盤拡大、資源高度有効活用、環境保全対策が進展している。世界のニッケル資源の確保には、低品位鉱石からのニッケル分の回収が必須となっている。住友鉱は従来回収困難であった低品位のニッケル酸化鉱からニッケルおよびコバルトを回収する技術であるHPAL(High Pressure Acid Leach=高圧硫酸浸出)の商業生産化に世界で初めて成功し、2005年からCBNC、(所在地:パラワン島)で、ニッケル中間製品であるMS(ニッケル・コバルト混合硫化物)の生産を開始した。2009年4月にはCBNCにおける第2工場の垂直立ち上げを完了し、同社の生産能力を年間1万トンから2万4千トン(ニッケル量換算)へ増加させた。
このような実績を背景として、住友鉱はHPAL技術を用いたタガニート・プロジェクトを2013年に完成させ世界トップクラスのニッケル製錬メーカーの地位を固めた。タガニート・プロジェクトにおいては、傘下のタガニートHPAL社(THPAL)がミンダナオ島北東部タガニート地区にて、MS(ニッケル品位約57%)を年間3万トン(ニッケル量換算、以下同様)から3万6千トンへと高めている。THPALの資本金は40億9,500万ペソ、出資比率は住友金属鉱山75%、ニッケル・アジア(NAC)10%、三井物産15%となっている。
住友鉱は、HPALからの新たな有価金属の回収を事業化し、競争力強化に努めつつある。具体的には、希土類元素(レアアース)の一つであるスカンジウムの生産である。スカンジウム(元素記号:Sc)は希土類元素の一つで、1879年に発見された。銀白色の金属で比重は2.99。アルミニウムの強度、耐熱性、耐食性を高めるための添加物、固体酸化物形燃料電池の電解質のほか、メタルハライドランプ、アルカリ電池の電極等に使用される。
タガニートなどではHPAL法によりニッケル・コバルト混合硫化物が生産されているが、その原料鉱石中に微量のスカンジウムが含まれている。住友鉱は、ニッケル・コバルト混合硫化物の製造工程からスカンジウムを効率的に回収する技術を確立した。また、主にステンレス鋼の原料となるクロマイトの回収事業へも参入。タガニートHPALニッケル社にクロマイトの回収プラントを建設THPALのニッケル・コバルト混合硫化物の製造工程から回収する。
住友鉱は、ニッケル・コバルトのみならずスカンジウムやクロマイトなどの副産物を効率的に回収することでHPAL技術のコスト競争力を高める。また、ニッケル事業の主要な製品供給先であるステンレス業界向けに新たな素材を提供することで、世界のニッケル事業における存在感を更に向上させて行く方針である。
CBNCは今回6回目、THPALは初めての受賞となる。この受賞はプラントにおける環境管理、安全管理、地域環境保護および地域貢献などが評価対象となる金属製錬部門での受賞となる。PMIEAとあわせて、「最優秀鉱山安全賞」では、CBNCが最優秀賞、THPALがCBNCに次ぐ第2位、また「鉱業森林計画最優秀賞」では、THPALが最優秀賞、CBNCがTHPALに次ぐ第2位をそれぞれ受賞した。
PMIEAは、フィリピンの鉱物産業界において最も栄誉ある賞である。同賞の受賞は、CBNCおよびTHPALがフィリピンにおいて安全かつ環境に配慮した操業を継続していることが認められたものである。今後もCBNCおよびTHPALでは、周辺地域のインフラ整備、雇用の拡大、資材の現地調達などを通じた社会貢献、また、環境負荷を最小限に抑えた操業、環境事故の防止、CBNCで実現させたテーリングダムの緑化による生態系の回復など、生物多様性の保全を図りながら責任ある操業に努めて行く方針である。
なお、住友金属鉱山のフィリピンでの事業基盤拡大、資源高度有効活用、環境保全対策が進展している。世界のニッケル資源の確保には、低品位鉱石からのニッケル分の回収が必須となっている。住友鉱は従来回収困難であった低品位のニッケル酸化鉱からニッケルおよびコバルトを回収する技術であるHPAL(High Pressure Acid Leach=高圧硫酸浸出)の商業生産化に世界で初めて成功し、2005年からCBNC、(所在地:パラワン島)で、ニッケル中間製品であるMS(ニッケル・コバルト混合硫化物)の生産を開始した。2009年4月にはCBNCにおける第2工場の垂直立ち上げを完了し、同社の生産能力を年間1万トンから2万4千トン(ニッケル量換算)へ増加させた。
このような実績を背景として、住友鉱はHPAL技術を用いたタガニート・プロジェクトを2013年に完成させ世界トップクラスのニッケル製錬メーカーの地位を固めた。タガニート・プロジェクトにおいては、傘下のタガニートHPAL社(THPAL)がミンダナオ島北東部タガニート地区にて、MS(ニッケル品位約57%)を年間3万トン(ニッケル量換算、以下同様)から3万6千トンへと高めている。THPALの資本金は40億9,500万ペソ、出資比率は住友金属鉱山75%、ニッケル・アジア(NAC)10%、三井物産15%となっている。
住友鉱は、HPALからの新たな有価金属の回収を事業化し、競争力強化に努めつつある。具体的には、希土類元素(レアアース)の一つであるスカンジウムの生産である。スカンジウム(元素記号:Sc)は希土類元素の一つで、1879年に発見された。銀白色の金属で比重は2.99。アルミニウムの強度、耐熱性、耐食性を高めるための添加物、固体酸化物形燃料電池の電解質のほか、メタルハライドランプ、アルカリ電池の電極等に使用される。
タガニートなどではHPAL法によりニッケル・コバルト混合硫化物が生産されているが、その原料鉱石中に微量のスカンジウムが含まれている。住友鉱は、ニッケル・コバルト混合硫化物の製造工程からスカンジウムを効率的に回収する技術を確立した。また、主にステンレス鋼の原料となるクロマイトの回収事業へも参入。タガニートHPALニッケル社にクロマイトの回収プラントを建設THPALのニッケル・コバルト混合硫化物の製造工程から回収する。
住友鉱は、ニッケル・コバルトのみならずスカンジウムやクロマイトなどの副産物を効率的に回収することでHPAL技術のコスト競争力を高める。また、ニッケル事業の主要な製品供給先であるステンレス業界向けに新たな素材を提供することで、世界のニッケル事業における存在感を更に向上させて行く方針である。