比パナソニック(PMPC)、21年度第1四半期急回復

売上高82%増の29億ペソ、8千万ペソの黒字転換

2021/08/20

 パナソニックのフィリピン製造拠点であるパナソニック マニュファクチャリング フィリピン(比パナソニック、証券コード:PMPC、会計期末3月)は、このほど、2021年度第1四半期(2021年4月~6月)の事業報告書を開示した。
 
 それらによると、2021年度第1四半期の売上高は前年度同期比(以下同様)81.9%増の29億2,928万ペソへと大幅増加した。比較対象となる2020年度第1四半期は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う3月央から5月15日までのルソン全域における「強化されたコミュニティー隔離措置」のもとでのリサール州タイタイやラグナ州サンタロサでの生産停止や販売活動中断により非常に不振であったこともあって、大幅増収となった。
 
 売上原価は72.8%増加したが、粗利益は146%増の4億9,221万ペソへと急増した。販売費が74%、一般管理費が24%増加したが、大幅増収効果などで税引前損益は1億1,622万ペソの黒字に転換した。所得税費用が36.2%減少したこともあって、純損益は8,218万ペソの黒字となり、前年同期の1億3,594万ペソの赤字から急改善した。

 PMPCは、2021年6月4日現在の株主に対し、1株(額面1ペソ)当たり0.5245ペソの配当を実施。配当率52.45%ということになる。2019年度の配当率14.98%から大幅上昇した。この配当支払日は2021年6月25日に行われた。


 表1.パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピン第1四半期業績比較(単位:万ペソ)

項目 19年度第1四半期 20年度第1四半期  21年度第1四半期 伸び率
売上高 334,671 161,081 292,928  81.9%
粗利益 57,641 20,007 49,221  146.0%
税引前利益 13,738 -8,261 11,622  黒字転換
所得税費用 3,014 5,333 3,404  -36.2%
純利益  10,724 -13,594  8,218  黒字転換
(出所:PMPC事業報告書などより作成)
 
 表2.パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンの年間業績推移(単位:万ペソ)

項目 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 20年度伸び率
売上高 671,343 812,434 997,428 1,049,008 1,152,081 1,190,695 1,088,310 -8.6%
粗利益 142,566 180,352 246,739 201,187 225,380 239,868 256,980 7.1%
税引前利益 21,695 39,969 66,721 31,692 27,459 24,006 47,859 99.4%
所得税費用 5,437 14,872 13,138 5,288 12,607 11,360 12,063 6.2%
純利益 16,258 25,098 53,584 26,403 14,852 12,646 35,802 183.1%
(出所:PMPC事業報告書及び年次報告書などより作成、20年度は速報値)

 PMPCの起源は、1963年5月に設立されたフェスティバル マニュファクチャリング(FMC)である。FMCは1965年に、プレシジョン エレクトロニクス(PEC)と社名変更した。このPECと松下電器産業(MEI、社名は当時)が1967年にフィリピンで合弁家電企業を設立した。当初の合弁企業名はPECだったが、25年後の1992年にマツシタ エレクトリック フィリピン(MEPCO)と変更された。さらに、2005年に現社名PMPCへと再変更された。すなわちパナソニックは、フィリピンで約55年の長い歴史を有している。

 PMPCの前身が1983年1月にフィリピン証券取引所(PSE)に新規上場され、現在もPMPCとして上場が継続されている。PMPCの発行済み株式は額面1ペソの普通株式約4億2,272万株である。そのうち、フィリピン人のみが投資可能なA株約8,472万株がPSEに上場されている。2021年8月19日の終値は5.84ペソ、2020年度の1株当たり純資産は11.36ペソであり、株価純資産倍率(PBR)は0.51倍である。浮動株比率は14.91%。日本のパソニック本社のPMPC保有比率は2021年6月末時点で79.96%である。パナソニック本社の保有するのはPMPCのB株である。