コロナ防疫新制度、首都圏16日から警戒レベル4に

飲食店の屋内提供、定員の10%でワクチン接種者に限定

2021/09/15

 在フィリピン日本国大使館は、9月15日、新型コロナウイルス感染情報その154(NCRにおけるCOVID-19対応のための警戒レベル・システムのパイロット実施に関するガイドライン、NCRの警戒レベル4の発表)を発出した。その概要は以下のとおり。

 9月14日、フィリピン政府は、マニラ首都圏(NCR)において9月16日から開始される、COVID-19対応のための警戒レベル・システムのパイロット実施に関するガイドラインを発表した。そのガイドラインによる警戒レベルの基準、プロトコル等は以下のとおり。また、9月16日からのNCRにおける警戒レベルは、レベル4に指定したことも発表した。

1 COVID-19のための警戒レベル・システム基準
(1)COVID-19の疾患のリスクを管理し、最小化することを目的として、都市全体及び地方自治政府でCOVID-19に対処するための新たなコミュニティー隔離措置となる。また、新しい科学的知識、国内外での管理措置の有効性に関する情報・適用に基づき、更新される可能性がある。

ア 警戒レベル1:症例の伝播が低く、減少している、総病床使用率、および集中治療室の使用率が低い区域。
イ 警戒レベル2:症例の伝播が低く、減少している、医療利用率が低い、または症例数が少ないが増加している、さらに症例数が少なく減少しているが総病床使用率と集中治療室使用率が増加している区域。
ウ 警戒レベル3:症例数が多く、および/または増加しており、総病床使用率と集中治療室使用率が増加している区域。
エ 警戒レベル4:症例数が多く、および/または増加しており、総病床使用率および集中治療室使用率が高い区域。
オ 警戒レベル5:症例数が警戒すべき領域に達しており、総病床使用率と集中治療室使用率が危機的なレベルとなっている区域。

(2)地方自治政府(LGU)によって「危機的な地域」として特定された区域のマイクロ・レベルの検疫を、「局所(細分化された)ロックダウン」とする。これは、警戒レベルに関係なく宣言される。

(3)最小公衆衛生基準(MPHS)は、保健省(DOH)行政命令第2021-0043号または施設の安全な再開のための最小公衆衛生基準に関するオムニバス・ガイドラインに準拠した、非薬品介入(NPI)を実施することにより、すべての設定にわたるCOVID-19対応の緩和策に関する国、地方、およびセクター固有のガイドラインを指す。この用語は、個人及びコミュニティーが、集団内の感染率、接触率、および感染期間を減少させるために実施できる、ワクチン、投薬、またはその他の医薬品介入を伴わないコミュニティー緩和戦略、または公衆衛生対策の特定のNPIも含むものとする。

2 COVID-19対応の警戒レベル・システム(一般的なガイドライン)
 保健省(DOH)は、パイロット区域の警戒レベルを特定する。パイロット区域の分類は、特に明記されていない限り、毎週行い、宣言されたアラートレベルと一致するプロトコルに従うものとする。
 ワクチン接種状況やCOVID-19検査結果が陰性であるかどうかに関係なく、COVID-19の可能性があり、確認された症例の濃厚接触者は、DOHによって設定された隔離および検疫プロトコルに従って14日間の隔離を行う。

3 COVID-19対応の警戒レベル・システム(レベル毎のプロトコル)
(1)警戒レベル5の区域は、オムニガス・ガイドラインで規定されているECQのガイドラインを遵守する。

(2)警戒レベル4の区域(今回マニラ首都圏が該当)は、次のプロトコルを遵守する。
ア 次の者は外出することはできない。ただし、必要不可欠の商品・サービスを入手するため、許可された職種・職場で働くための移動は許可される。
 (i) 18歳未満の者
 (ii) 65歳以上の者
 (iii) 免疫不全、併存疾患、健康上のリスクがある者
 (iv) 妊婦

イ 地域間の移動は、上記アの外出が許可されていない者以外、目的地のLGUにて課される規則に従って許可される。

ウ 屋外運動は、全ての年齢層、及び健康上のリスクがある者、ワクチン接種の有無にかかわらずに許可されるものとするが、居住地の一般的なエリア内に限定される。ただし、フェイス・マスクの着用、予防措置、ソーシャル・ディスタンス等のプロトコルと最低限の公衆衛生基準を厳密に遵守する必要がある。

エ 感染のリスクが高いと判断する以下の施設及び活動は許可されない。
 a. 屋内の訪問者、観光名所、図書館、史料館、美術館、ギャラリー、文化的なショーや展示。
 b. 会議、インセンティブ活動、コンベンション、展示会(MICE) イベントの運営のための屋内会場。
 c. 映画館などの屋内娯楽施設、カラオケバー、バー、クラブ、コンサートホール、劇場などのライブパフォーマーがいる会場。
 d. 屋外および屋内の遊園地またはテーマパーク、遊園地/ペリヤ、遊び場、プレイルーム、子供用乗り物などの子供向け遊園地。
 e. インターネットカフェ、ビリヤードホール、アミューズメント・アーケード、ボーリング場などの屋内レクリエーション施設。
 f. すべてのレベルでの屋内限定の対面授業、試験、およびその他の教育関連活動。ただし、IATFおよび/または大統領行政府によって承認されたものを除く。
 g. カジノ、競馬、闘鶏、コックピットの操縦、宝くじ、賭博店、その他のゲーム施設の運営。ただし、IATFまたは大統領府の許可がある場合を除く。
 h. コンサート、パーティー、結婚披露宴、婚約パーティー、結婚記念日、デビューパーティー、誕生日パーティー、家族の親睦会、ブライダルシャワー、ベビーシャワー、パレード、行列(行進)、車列、肉親以外の者との住居での集会などの社交イベント。
 i. 屋内スポーツ・コートまたは会場、フィットネス・スタジオ、ジム、スパまたはその他の屋内レジャーセンター・施設、スイミングプール。
 j. すべてのコンタクトスポーツ。ただし、IATFによって採用され、開催されるLGUによって承認された関連ガイドラインの下で規定されているバブルタイプのセットアップで行われるものを除く。
 k. メディカル・エステティック・クリニック、コスメティック・クリニック、ダーマ・クリニック、メイクアップ・サロン、リフレクソロジー、エステティック、ウェルネス、ホリスティックセンター、およびその他の同様の施設を含むパーソナル・ケア・サービス。鍼灸および電気メス施設、スポーツ療法施設を含むマッサージ療法。また、日焼けサービス、ボディピアス、タトゥー、および同様のサービスを提供する施設も含まれる。これらの活動のためのホームサービスは同様に許可されない。
 l. ステイケーションなど、観光省(DOT)の専門市場。

オ レストラン、飲食店などの食品準備施設における屋外での食事サービスは、ワクチン接種の有無にかかわらず定員の最大30%までの座席数で、屋内食事サービスは10%の定員または座席数で許可される。ただし、屋内でのサービスは、完全にCOVID-19のワクチン接種を受けた者へのサービス提供に限る。また、LGUにより定員数を減らす可能性がある。

カ 理髪店、ヘア・スパ、ネイル・スパ、ビューティー・サロンなどのパーソナル・ケア・サービスは、LGUからの反対がない限り、屋外サービスは定員の最大30%まで、屋内サービスは10%の定員または座席数で許可される。ただし、屋内でのサービスは完全にCOVID-19のワクチン接種を受けた者へのサービス提供に限る。また、顧客を含めフェイス・マスクを常時着用する。

キ 宗教的な集会は、宗教的な集会が行われるLGUからの反対がない限り、屋外集会は会場の収容人数の最大30%まで、屋内での集会は最大10%の定員または座席数で許可される。ただし、屋内での集会は、完全にCOVID-19のワクチン接種を受けた者が集会に参加できる。また、屋外での宗教的な集会は、宗教的礼拝及び奉仕の実施に限られる。

ク COVID-19以外の原因で死亡した人の葬儀サービス、通夜、埋葬、葬儀のための集会は、規定された最低限の公衆衛生基準を満たし、家族関係者(2親等)のみに限定されることを条件として許可される。

ケ 局所(細分化された)ロックダウンの対象となる地域を除き、他の全ての施設または上記3(2)エで指定されていない活動は、最低限の公衆衛生基準を遵守することで、100%の定員または座席数で許可される。また、上記施設で働く人々の移動制限は緩和される。

コ 政府機関は、完全に機能し続けるが、少なくとも20%の現場能力を遵守する。