8月のOFW送金額、4.8%増の28億9千万ドル

7カ月連続増加、8カ月間で5.9%増の227億ドル

2021/10/18

 フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国時持参分+非現金型資産贈与含む)によると、2021年8月の包括的フィリピン人海外就労者(OFW)本国送金額(速報値)は前年同月比4.8%増の28億8,900万米ドル。前年同月比で7カ月間連続の増加となった。

 2021年年初8カ月では前年同期比5.9%増の226億7,200万米ドルと増加した。中央銀行は、2021年年間で4%増と見込んでいる。OFW送金は依然としてフィリピンの主要な外貨流入源である。そして、大幅な貿易赤字を相殺し、経常収支の黒字化や黒字見込みに大きく貢献している。

 包括的OFW送金額   (単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
項目 年間推移 1-8月
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 20年 21年
送金額 29,706 31,288 32,213 33,467 33,194 21,414 22,672
伸び率 4.9 5.3 3.0 3.9 -0.8 -2.6 5.9
(出所:BSP資料より作成、2020-21年は速報値)

 月別包括的OFW送金額推移   (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)

2020年 2021年
8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月
送金額 2,756 2,888 3,044 2,643 3,205 2,895 2,759 2,801 2,574 2,652 2,936 3,167 2,889
伸び率 -4.2 9.1 2.5 0.1 -0.3 -1.7 5.2 5.6 13.1 13.3 7.3 2.6 4.8
(出所:BSP資料より作成、全て速報値)

 2021年8月の包括的フィリピン人海外就労者(OFW)本国送金額のうち、中央銀行が把握している公式銀行ルートによるOFW現金送金額(速報値)は前年同月比5.1%増の26億0,900万米ドル。そのうち、陸上ベースのOFWからの送金額は4.1%増の20億3,200万米ドル、海上ベースのOFWからの送金額は8.6%増の5億7,700万米ドル。

 2021年年初8カ月の累計は前年同期比5.7%増の203億8,000万米ドル。送金元の国別動向については、1位が米国で前年同期比7.0%増の82億9,200万米ドルで、全体の40.7%を占めた。次いで、2位はシンガポールの2.3%増の14億0,300万米ドル、3位サウジアラビアの0.8%増の11億4,400万米ドル、4位日本の1.4%減の10億2,400万米ドル(シェア5.0%)、5位英国の8.3%増の10億0,900万米ドルなど。上位10カ国で送金全体の78.8%を占めた。

 ただし、情報筋による送金データにはある程度の制約がある。海外の様々な都市の送金センターの一般的なやり方として、コルレス銀行を通じて送金を処理するが、コルレス銀行の大部分が米国にある。また、マネークーリエ(現金宅配)サービスを通じて処理された送金は、実際の送金の出所(国)によって分類できない。

 OFWからの銀行経由送金額推移  (単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
項目 年間推移 1-8月
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 20年 21年
送金額 26,900 28,060 28,943 30,133 29.903 19,285 20,380
伸び率 5.0 4.3 3.1 4.1 -0.8 -2.6 5.7
(出所:BSP資料より作成、2020-21年は速報値)

 月別OFWからの銀行経由送金額推移   (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)

2020年 2021年
8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月
送金額 2,483 2,601 2,747 2,379 2,890 2,603 2,476 2,514 2,305 2,382 2,638 2,853 2,609
伸び率 -4.1 9.3 2.9 0.3 -0.4 -1.7 5.0 4.9 12.7 13.1 7.0 2.5 5.1
(出所:BSP資料より作成、全て速報値)