南部長距離鉄道、380キロ区間を着工へ

中国の中鉄連合が1,420億ペソで受注

2022/01/19

 フィリピン運輸省(DOTr)によると、フィリピン政府は2022年3月までに、フィリピン国鉄(PNR)南部長距離鉄道(別名PNRビコール鉄道)事業の一部区間着工を目指すとのことである。

 PNRビコール鉄道は、首都圏マニラ市からルソン島最南端のソルソゴン州マトノグまでの本線とバタンガス州バタンガス市までの支線合計639キロメートルの鉄道事業。PNRの既存線の改修・近代化と新線建設の組み合わせで実施され、事業費は1,750億ペソと見積もられている。開通するとマニラとビコール地方の所要時間は半分以下へと大幅短縮され、マニラ首都圏、南部タガログ地域、ビコール地域の結びつきを強めると期待される。

 PNRビコール鉄道のうち、2022年3月までに着工を目指しているのは、ラグナ州カランバからアルバイ州ダラガまでの380キロメートルの区間で中国が支援する。この区間は、2つの地域、4つの州、39の市町村にまたがり、23の駅、230の橋梁、10のトンネル、70ヘクタールのデポの建設などが含まれる大プロジェクトとなる。

 DOTrは、1月17日、この380キロメートルの長距離鉄道の設計、建設、電気工事などの契約を、中国のChina Railway Group(中鉄グループ)、China Railway No. 3 Engineering Group(中鉄第3エンジニアリンググループ)、China Railway Engineering Consulting Group(中鉄エンジニアリングコンサルティンググループ)という3社連合(CREC JV)と締結した。契約金額は1,420億ペソで、鉄道の単一プロジェクトとしては過去最大級の契約となった。