株価2カ月間で2.6%上昇、2月は0.7%下落

資源株27.4%上昇、外国人48億ペソの買い越し

2022/03/01

 フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2022年2月末終値は7,311.01ポイントとなり、前月末と比べて0.69%下落した。

 2月は、新型コロナ感染急減やそれに伴うマニラ首都圏等のコロナ警戒レベル2への緩和、主要国市場などとの比較での出遅れ感、外国人の買い越し基調などにより堅調な動きを続け、9日には2年ぶりに7,500台を回復するに至った。

 しかし、下旬にウクライナ情勢が緊迫化、利益確定や持高調整の動きで急反落、月間で0.69%の反落となった。ただ、外国人が月末最終日まで8営業日連続で買い越しを継続していること、出遅れ感が顕著であること、3月からマニラ首都圏等のコロナ警戒レベルが最も軽い1へと更に緩和されることが決定されたことなどから、比較的軽微な下げにとどまった。2月の終値ベースで最高値は9日の7,502.48ポイント、最安値は24日の7,212.23ポイントだった。
 
 これらの結果、PSEiは2カ月間で2.64%の上昇となった。2カ月間の大分類セクター別の指数の動きは、鉱業・石油株(+27.40%)、不動産株(+9.97%)、金融株(+5.21%)、持株会社株(+1.30%)が上昇、サービス業株(-3.67%)、工業株(-0.60%)が下落した。鉱業・石油株や不動産株がインフレヘッジ的に買われ、昨年強い動きを見せた通信株を中心とするサービス業株が利食いで軟調という動きであった。

 2カ月間の1日当たり平均売買額は約78億ペソで、前年同期の約116億6千万ペソから33%減少した。外国人投資家は約47億7千万ペソの買い越しで、前年同期の約239億5千万ペソの売り越しから激変となった。外国人の売買額シェアは35%で、前年同期の24%から上昇した。

 PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 年末・月末値 上昇率
2012年 5,812.73ポイント 32.95%
2013年 5,889.83ポイント 1.33%
2014年 7,230.57ポイント 22.76%
2015年 6,952.08ポイント -3.85%
2016年 6,840.64ポイント -1.60%
2017年 8,558.42ポイント 25.11%
2018年 7,466.02ポイント -12.76%
2019年 7,815.26ポイント 4.68%
2020年 7,139.71ポイント -8.64%
2021年 7,122.63ポイント -0.24%
2022年 1月末 7,361.65ポイント 3.36%
2月末 7,311.01ポイント -0.69%
2カ月間 - 2.64%
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)

 フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 18年 19年 20年 21年 22年2月末 2カ月間上昇率
フィリピン証券取引所指数 -12.76% 4.68% -8.64% -0.24% 7,311.01 2.64%
全株指数 -9.46% 2.92% -8.11% -10.64% 3,889.09 1.86%
  金融株指数 -20.19% 4.71% -22.32% 10.95% 1,689.88 5.21%
  工業株指数 -2.49% -12.02% -2.51% 10.76% 10,341.27 -0.60%
  持株会社株指数 -14.79% 3.41% -3.13% -7.44% 6,895.99 1.30%
  不動産株指数 -8.80% 14.51% -11.80% -12.14% 3,540.79 9.97%
  サービス業株指数 -10.94% 6.13% -1.11% 31.19% 1,913.55 -3.67%
  鉱業・石油株指数 -28.71% -1.32% 17.75% 0.77% 12,232.74 27.40%
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)