三井物産等の比トヨタ車事業、製販ともに大幅増益
比トヨタ自動車82%増益、販社トヨタ マニラベイ6.3倍増益
2022/03/31
三井物産は、フィリピンにおいて、トヨタ自動車やメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループの持株会社GTキャピタル(GTCAP)とともにトヨタ車事業を推進している。
トヨタ車事業は近年好調に推移してきたが、2020年以来新型コロナ感染(COVID-19)パンデミックの影響を受けている。2021年に入っても感染の再拡大やデルタ株出現など依然ビジネス環境は厳しいが、不振であった前年の反動や、市場シェア拡大等により、2021年の業績は急回復した。
三井物産はトヨタ・マニラベイ社(TMBC)に40%を継続出資している。TMBCはフィリピン最大のトヨタ車販社であり、トヨタ車販売シェアは約10%である。GTキャピタルの2021年の事業速報によると、TMBCの2021年の小売販売台数は前年比(以下同様)16.3%増加した。トヨタ車販売シェアはディーラー間の競争激化により、前年の10.7%から9.6%に低下した。
TMBCの純売上高(自動車販売、部品販売、メンテナンスサービス)は16.1%増の153億5,000万ペソ。二桁増収効果や経費抑制効果などにより、純利益は532.2%増(6.3倍)の1億5,000万ペソと急増、新型コロナ禍直前の2019年利益の約70%まで回復した。TMBCは現在、トヨタ マニラベイ(パサイ市ロハス大通り)、トヨタ アバド サントス(マニラ市ホセ・アバド・サントス)、トヨタ クバオ(クバオ市)、トヨタ マリキナ(マリキナ市)、トヨタ ダスマリーニャス(カビテ州ダスマリーニャス)と5つの販売店を有している。
トヨタ マニラベイ年間の業績比較(単位:百万ペソ)
(出所:GTキャピタル資料より作成、2021年は速報値)
三井物産は、トヨタ自動車のフィリピン製造・販売拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP)にも15%出資している(GTCAPが51%、トヨタ自動車が34%)。その他、レクサス車販社であるレクサス マニラにも出資している。フィリピンでのトヨタ車事業基盤拡充が、製造、販売双方で進展していると言える。
既報のように、TMPの2021年の小売ベースの販売台数は29.6%増の12万9,667台と堅調で、業界全体の15.9%増という伸び率を大幅に上回った。この結果、TMPの市場シェアは46.3%に達し、前年の41.3%から更に上昇、過去最高を更新し首位の座をさらに強固なものとするとともに、ASEAN市場で最高となっている。売上高は31.5%増の1,313億ペソと2年ぶりに1千億ペソの大台を回復、帰属純利益は82.2%増の60億ペソに達した。
また、2021年のレクサス マニラの販売台数は19.8%増の568台に達し、高級車(プレミアム・オートモービル)市場において、メルセデス・ベンツを抜いて2位となり。レクサス マニラは、TMPと三井物産との合弁企業であり、出資比率はTMP75%、三井物産25%となっている。2009年1月14日に開業した。開業以来、多くのセダン、SUV、クーペ、ハイブリッド車を投入、高級車市場でBMW、メルセデス ベンツと3強を形成するに至っている。
トヨタモーター フィリピンの年間業績等の推移 (単位:百万ペソ)
(出所:GTキャピタル資料より作成、2021年は速報値)
トヨタ車事業は近年好調に推移してきたが、2020年以来新型コロナ感染(COVID-19)パンデミックの影響を受けている。2021年に入っても感染の再拡大やデルタ株出現など依然ビジネス環境は厳しいが、不振であった前年の反動や、市場シェア拡大等により、2021年の業績は急回復した。
三井物産はトヨタ・マニラベイ社(TMBC)に40%を継続出資している。TMBCはフィリピン最大のトヨタ車販社であり、トヨタ車販売シェアは約10%である。GTキャピタルの2021年の事業速報によると、TMBCの2021年の小売販売台数は前年比(以下同様)16.3%増加した。トヨタ車販売シェアはディーラー間の競争激化により、前年の10.7%から9.6%に低下した。
TMBCの純売上高(自動車販売、部品販売、メンテナンスサービス)は16.1%増の153億5,000万ペソ。二桁増収効果や経費抑制効果などにより、純利益は532.2%増(6.3倍)の1億5,000万ペソと急増、新型コロナ禍直前の2019年利益の約70%まで回復した。TMBCは現在、トヨタ マニラベイ(パサイ市ロハス大通り)、トヨタ アバド サントス(マニラ市ホセ・アバド・サントス)、トヨタ クバオ(クバオ市)、トヨタ マリキナ(マリキナ市)、トヨタ ダスマリーニャス(カビテ州ダスマリーニャス)と5つの販売店を有している。
トヨタ マニラベイ年間の業績比較(単位:百万ペソ)
年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 伸び率 |
純売上高 | 23,579.6 | 13,220.4 | 15,348.1 | 16.1% |
粗利益 | 1,655.1 | 1,136.2 | 1,434.9 | 26.3% |
純利益 | 224.3 | 24.5 | 154.9 | 532.2% |
三井物産は、トヨタ自動車のフィリピン製造・販売拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP)にも15%出資している(GTCAPが51%、トヨタ自動車が34%)。その他、レクサス車販社であるレクサス マニラにも出資している。フィリピンでのトヨタ車事業基盤拡充が、製造、販売双方で進展していると言える。
既報のように、TMPの2021年の小売ベースの販売台数は29.6%増の12万9,667台と堅調で、業界全体の15.9%増という伸び率を大幅に上回った。この結果、TMPの市場シェアは46.3%に達し、前年の41.3%から更に上昇、過去最高を更新し首位の座をさらに強固なものとするとともに、ASEAN市場で最高となっている。売上高は31.5%増の1,313億ペソと2年ぶりに1千億ペソの大台を回復、帰属純利益は82.2%増の60億ペソに達した。
また、2021年のレクサス マニラの販売台数は19.8%増の568台に達し、高級車(プレミアム・オートモービル)市場において、メルセデス・ベンツを抜いて2位となり。レクサス マニラは、TMPと三井物産との合弁企業であり、出資比率はTMP75%、三井物産25%となっている。2009年1月14日に開業した。開業以来、多くのセダン、SUV、クーペ、ハイブリッド車を投入、高級車市場でBMW、メルセデス ベンツと3強を形成するに至っている。
トヨタモーター フィリピンの年間業績等の推移 (単位:百万ペソ)
年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 伸び率 |
売上高 | 104,887 | 114,289 | 155,833 | 185,337 | 158,941 | 168,616 | 99,847 | 131,275 | 31.5% |
粗利益 | 14,629 | 18,299 | 21,072 | 23,059 | 16,620 | 21,143 | 13,022 | 14,545 | 11.7% |
営業利益 | 9,859 | 13,910 | 15,669 | 16,798 | 10,255 | 12,786 | 4,545 | 6,641 | 46.1% |
帰属純利益 | 7,209 | 10,195 | 11,929 | 13,186 | 7,882 | 9,082 | 3,306 | 6,024 | 82.2% |
総資産 | 26,681 | 32,278 | 36,003 | 42,158 | 36,428 | 38,751 | 45,059 | 44,937 | -0.3% |
株主資本 | 11,923 | 15,228 | 17,492 | 19,148 | 15,238 | 15,608 | 9,500 | 12,853 | 35.3% |