株価6月は9.1%急落、国内外での利上げ加速化懸念

上半期13.6%下落、資源株17%高、サービス株17%安

2022/07/01

   フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2022年6月末終値は6,155.43ポイントとなり、前月末と比べて9.14%下落した。

 6月は、ウクライナ紛争の長期化懸念、国内外のインフレ高進や金融引き締め加速化懸念、フィリピンの対外収支悪化、外国人投資家の継続的な売り越しなどを背景に、月間で9.2%という大幅下落となった。6月23日終値は6,065.23ポインまで下落、2020年10月19日の6,019.26ポイント以来、約1年8カ月ぶりの安値に落ち込んだ。6月の終値での最高値は8日の6,769.62ポイントであった。
 
 これらの結果、PSEiは上半期(1月~6月)で13.58%低下、新型コロナパンデミック発生の2020年3月初旬の水準を下回っている。上半期の大分類セクター別指数は、鉱業・石油株(資源株、+17.01%)のみ上昇した。資源株急上昇の要因は市況高騰。一方、サービス業株(-16.98%)、持株会社株(-15.97%)、工業株(-12.43%)、不動産株(-11.94%)、金融株(-10.20%)は二桁の下落となった。サービス業セクターは、2021年に大幅上昇した通信株の急反落が響いている。

 PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 年末・月末値 上昇率
2012年 5,812.73ポイント 32.95%
2013年 5,889.83ポイント 1.33%
2014年 7,230.57ポイント 22.76%
2015年 6,952.08ポイント -3.85%
2016年 6,840.64ポイント -1.60%
2017年 8,558.42ポイント 25.11%
2018年 7,466.02ポイント -12.76%
2019年 7,815.26ポイント 4.68%
2020年 7,139.71ポイント -8.64%
2021年 7,122.63ポイント -0.24%
2022年 1月末 7,361.65ポイント 3.36%
2月末 7,311.01ポイント -0.69%
3月末 7,203.47ポイント -1.47%
4月末 6,731.25ポイント -6.56%
5月末 6,774.68ポイント 0.65%
6月末 6,155.43ポイント -9.14%
6カ月間 - -13.58%
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)

 フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 19年 20年 21年 22年上半期 22年6月末指数
フィリピン証券取引所指数 4.68% -8.64% -0.24% -13.58% 6,155.43
全株指数 2.92% -8.11% -10.64% -12.62% 3,336.23
  金融株指数 4.71% -22.32% 10.95% -10.20% 1,442.36
  工業株指数 -12.02% -2.51% 10.76% -12.43% 9,110.72
  持株会社株指数 3.41% -3.13% -7.44% -15.97% 5,720.24
  不動産株指数 14.51% -11.80% -12.14% -11.94% 2,835.31
  サービス業株指数 6.13% -1.11% 31.19% -16.98% 1,649.01
  鉱業・石油株指数 -1.32% 17.75% 0.77% 17.01% 11,235.17
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)