ペソ建て社債残高1.4兆ペソに、1位はBDOの1,266億ペソ

2位SMプライムの1,196億ペソ、3位サンミゲル1,033億ペソ

2022/09/20

 アジア開発銀行(ADB)が、9月14日、東アジア債券市場の動向に関する報告書「アジア債券モニター」(ABM)最新版の2022年9月号(2022年第2四半期実績などを記載)を発表した。
 
 「アジア債券モニター」(ABM)は、ASEAN6カ国(フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム)、中国、韓国、香港という合計9カ国・地域(9市場)の東アジア新興国(EEA)現地通貨建て(LCY)債券市場の変化を定期的に調査・分析しているものである。

 このABM最新版によると、2022年6月末のフィリピンのLCY(ペソ建て)債券発行残高は前年同月末比14.2%増の10兆6,800億ペソであった(前期末比2.4%増)。そのうち、政府債(国債等)が同18.4%増の9兆2,730億ペソ(前期末比4.1%増)。

 一方、フィリピンのLCY(ペソ建て)社債残高は同7.2%減の1兆4,080億ペソ(前期末比7.1%減少)へと縮小した。国内外の投資環境に関する不透明感が強まるなか、民間セクターが起債に慎重な姿勢であったことや社債の満期到来や早期償還などによる。2022年第2四半期(4月から6月)の新規社債発行額は前期比40.2%減の912億ペソへと大幅減少した。

 2022年6月末のペソ建て社債残高1兆4,080億ペソの業種別内訳は、銀行が36.4%、不動産が26.5%、持株会社が17.5%、公益企業が14.5%、通信が1.1%、運輸が0.8%、その他が3.1%となっている。上位30社の発行残高が全体の89.6%に相当する1兆2,618億ペソに達している。

 発行残高企業別トップはBDOユニバンク(証券コード:BDO)の1,266億ペソ、2位はSMプライム ホールディングス(SMPH)の1,196億ペソ、3位はサンミゲル(SMC)の1,033億ペソ、4位はアヤラランド(ALI)の853億ペソ、5位はメトロバンク(MBT)の763億ペソ、6位はリサール商業銀行(RCB)の628億ペソ、7位はSMCグローバルパワーとアボイティスパワー(AP)の各々600億ペソ、9位はチャイナバンク(CHIB)の516億ペソ、10位はセキュリティバンク(SECB)の483億ペソなどと続く。

 一方、6月末の社債残高1兆4,080億ペソの保有比率は、銀行・投資銀行44.4%、契約型貯蓄機関(生命保険や年金基金等)・免税機関33.5%、財務局管轄基金7.1%、証券保管・管理機関など6.9%、政府系企業・自治体0.1%、その他8.0%となっている。