日産、EV活用の環境活動「ブルー・スイッチ」推進加速

比政府等とも連携、環境・災害対策やエコ観光開発など

2022/10/24

 日産自動車のフィリピン販売拠点であるフィリピン日産(NPI、本社:マニラ首都圏ボニファシオ・グローバルシティ)が、電気自動車(EV)啓蒙・普及を推進しつつある。

 日産自動車の「ブルー・スイッチ」イニシティアブに基づき、地球温暖化や災害対策等の課題を解決するための電動化アクションを活発化させている。電気自動車や充電器の普及など、電動化によるソリューションの提供を通じて環境、災害対策、エネルギー・マネジメント、観光、過疎化対策など、多岐にわたる活動を展開している。その一環として、2021年5月には、完全電気自動車(EV)「日産リーフ」、2022年には「日産キックスe-パワー」や「日産リーフ」改良モデルを発売した。

 NPIは「ブルー・スイッチ」イニシティアブ活動において、エネルギー省や観光省のほか異業種の組織や機関とも協働している。10月20日と21日に開催された第10回フィリピン電気自動車サミット(PEVS)において、連携による「ブルー・スイッチ」イニシティアブ推進強化コミットメントセレモニーが開催された。このセレモニーには、エネルギー省のパトリック・キノエネルギー利用管理局長、フィリピン電気自動車協会(EVAP)のエドモンド アラガ会長、eSakayのカール・マグスシCOO、ゲートウェイグループのルイス・オキニェナ専務理事などが出席した。

 なお、日産自動車は、今年2月、電気自動車を活用し地球温暖化や災害対策等の地域課題の解決を目指す日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」をASEAN地域に拡大すると発表している。そして、「クリーンな世界と持続可能な社会の実現に貢献するために、EVの新たな活用を推進している。電動化はASEAN地域においても戦略の中核を担っている。このイニシアティブを通じて、フィリピン、タイを含めたASEAN市場の地方自治体やパートナーと戦略的パートナーシップを構築していく」と説明した。既にフィリピンでは、フィリピン電気自動車サミットでの協働のほか、以下の様な活動が展開されている。

・災害時の支援活動
 EVを災害時の支援活動に活用する日産自動車の取り組みは、昨年12月央フィリピン中南部を横断した大型台風22号(国際名:ライ、フィリピン名:オデット)による大規模停電でも活かされた。セブ州やタクロバン州に「日産リーフ」を派遣し、搭載している大容量バッテリーにより1,000台以上の携帯電話を充電するなど、困窮した地域の住民を支援した。

・モールなどでの啓蒙活動
 エネルギー省と協働で、ショッピングモール等での省エネや電気自動車(EV)啓蒙イベント「Enerhiyang Atin (私たちのエネルギー)」を展開している。NPIはフル電気自動車(EV)であるLEAF(リーフ)の展示や説明、リーフのエネルギー管理ソリューション機能などを紹介している。

・エコツーリズム開発
 電動化技術が脱炭素化や地域交通網の最適化にどのように貢献できるかを検討し、観光セクターを支援している。NPIは現在、フィリピン観光省と協力して、エコツーリズムを推進する「セーフトリップ」キャンペーンを実施している。今年4月20~22日までマニラで開催された第21回世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)グローバルサミット(テーマ:旅行の再発見)において、NPIは、公式モビリティパートナーの1社として参加者の移動などを支援した。