ニッケル鉱山上場3社、9カ月間の業績やや伸び悩みに

上位2社は増益だが出荷二桁減、マークベンチャーは53%減益

2022/11/17

   フィリピン証券取引所(PSE)上場の主要ニッケル鉱山企業3社の2022年9カ月間(1月~9月)の事業報告書が出揃った。前年同期はニッケル市況急上昇を背景に3社とも大幅増収増益決算であったが、当9カ月間はやや伸び悩みとなった。

 最大手のニッケル アジア コーポレーション社(ナック社、証券コード:NIKL)の鉱石出荷量は前年同期比(以下同様)14%減の1,244万トンへ二桁減少した。販売価格上昇とドル高効果により、営業収入は2%増の215億1,000万ペソ、帰属純利益は12%増の69億ペソと増収増益になったが、前年同期の39%増収・168%増益に比べるとやや伸び悩みとなった。

 第2位のニッケル鉱山企業であるグローバル フェロニッケル ホールディングス(証券コード:FNI)の鉱石出荷量(中国向け)は前年同期比(以下同様)21.6%減の315万トンにとどまった。悪天候などが影響した。1トン当たり平均出荷価格は6.1%低下し28.89米ドルとなった。これらにより、営業収入は20.6%減の50億8,625万ペソへと二桁減少した。その他収入の計上により、純利益は14.7%増の21億3,326万ペソ、帰属純利益は3.9%増の19億3,421万ペソへと増加したが鉱山事業は低調であった。

 第3位のマークベンチャーズ ホールディングス(証券コード:MARC)の鉱石出荷量は10%増の124万トンへ増加したが、販売価格が低下したことなどで営業収入は16.6%減の23億7,725万ペソへと二桁減少した。販売費用が8.3%増加したこともあって、帰属純利益は53.2%減の3億7,005万ペソへと大幅減少した。前年同期の62%増収・384%増益からは急悪化した。