中央銀行、17日に0.75%の追加利上げを決定

翌日物借入金利5.00%に、約14年ぶりの高水準

2022/11/17

  フィリピン中央銀行は(BSP)は、現在、年8回の金融委員会(MB)政策定例会合を開催している。11月17日、2022年7回目のMB政策定例会合が開催された。

 今年7回目のMB政策定例会合では、政策金利体系の0.75%追加引き上げが決定された。すなわち、主要政策金利である翌日物借入金利(RRP)5.00%を中心とする4.50%~5.50%という金利コリドーに移行されることになった。この追加利上げは、11月18日から実施される。なお、今年最後のMB政策定例会合は12月15日に予定されている。
 
 2020年12月17日から今年5月18日までは、2016年に中央銀行が金利コリドー制を導入して以降の最低水準であるRRP2.00%を中心とする1.50%~2.50%という金利コリドーが継続されてきたが、インフレ高進対応策として今年5月19日と6月23日のMB政策定例会合で0.25%ずつの利上げ、7月14日の臨時会合での0.75%の大幅緊急利上げ、8月19日と9月22日の0.50%ずつの利上げが決定された。今回の6会合連続(臨時会合含む)の利上げ(0.75%)決定により2022年累計で3.00%の利上げとなる。

 11月4日に発表されたフィリピンの10月のインフレ率は、現行基準(2018年基準)採用後の最高を更新するとともに、2009年2月の7.2%(2006年基準)以来、13年8カ月ぶりに7%突破、2008年12月の7.8%以来、約14年ぶりの高インフレとなった。また、コアインフレ率が5.9%で、9月の5.0%から急上昇した。一方、11月10日に発表された第3四半期GDP実質成長率は7.6%で、前期(2022年第2四半期)の7.5%(改定値)、前年同期の7.0%から加速した。そして、直前予想コンセンサスの6.1%を大幅に上回った。既に、BSPのフェリーペ・メダーリャ総裁はインフレ抑制とペソ急落防止のため、更なる大幅追加利上げを行わざるを得ないと判断していた。

 なお、BSPは現在、年8回の金融委員会(MB)政策定例会合を開催している。2022年のMB定期政策会合は、2月17日、3月24日、5月19日、6月23日、8月18日、9月22日、11月17日、12月15日に開催、もしくは開催予定されている。1月、4月、7月、10月は定例会合は開催されないが、今年7月には臨時会合で0.75%の緊急利上げが実施された。