10月の国際総合収支7億ドルの黒字、7カ月ぶり黒字

10カ月間では71億ドルの赤字(前年5億ドルの黒字)

2022/11/20

  フィリピン中央銀行(BSP)によると、2022年10月の月間国際総合収支(BOP)は7億1,100万米ドルの黒字となり、7カ月ぶりに黒字転換した。黒字化は、主に政府の中央銀行(BSP)への外貨預金による。しかし、前年同月の11億4,100万米ドルの黒字からは37.7%減少した。

 2022年年初10カ月間のBOP累積赤字は、9月末時点より9%縮小し、71億1,900万米ドルとなった(前年同期は4億7,600万米ドルの黒字)。BOP累積赤字は、物品貿易収支の赤字急拡大を反映している。フィリピン統計庁(PSA)の速報データに基づくと、2022年年初9カ月の累積貿易赤字は前年同期比63%増の466億5,000万米ドルに達した。

 2022年10月末時点の総外貨準備高(GIR)は940億米ドルで、9月末時点の930億米ドルを上回った。中央銀行によると、10月末のGIRレベルは、輸入・一次所得の7.5カ月分に相当する十分な外部流動性バッファーを表しており、外部ショックから国内経済を保護することが可能なレベルである。さらに、元本ベース短期対外負債の約6.9倍、残存ベース短期対外負債の4.1倍に相当する水準でもある。

 フィリピン国際総合収支の推移 (単位:百万米ドル)
期間 年間 10月 1-10月
19年 20年 21年 21年 22年 伸び率 21年 22年 伸び率
国際総合収支 7,843 16,022 1,345 1,141 711 -37.7% 476 -7,119 赤字転落
対GNI比 1.9% 4.1% 0.3% - - - - - -
対GDP比 2.1% 4.4% 0.3% - - - - - -
(出所:BSP資料より作成)