9カ月間の経常収支赤字7.7倍の178億ドル(GDP比6.1%)
貿易赤字急増等響く、国際総合収支赤字は11.8倍の78億ドル
2022/12/11
フィリピン中央銀行(BSP)は12月9日、国際通貨基金(IMF)の国際収支マニュアル第6版(BPM6)に準拠した2022年第3四半期(7月~9月)および年初9カ月の詳細な国際収支統計(速報)を発表した。
<2022年第3四半期(7月~9月)>
2022年第3四半期の経常収支の赤字額は58億米ドル(GDP比6.2%)となり、前年同期の9億7,400万米ドル(GDP比1.1%)から495.2%増(約6倍)に拡大した。貿易赤字の急拡大を、海外フィリピン人就労者(OFW)送金など第二次所得収支等の黒字ではカバーできなかった。それらの結果、国際総合収支は前年同期の12億7,400万米ドルの黒字から47億3,000万米ドルの赤字に転落した。
<2022年9カ月間(1月~9月)>
2022年9カ月間の経常収支は178億1,500万米ドル(GDP比6.1%)の赤字となり、前年同期の赤字23億2,000万米ドル(GDP比0.8%)から668.0%増(約7.7倍)と急拡大した。輸入急増にともなう貿易収支悪化が響いた。それらの結果として、国際総合収支(BOP)は78億3,100万米ドルの赤字(GDP比2.7%)となり、前年同期の赤字6億6,500万米ドル(GDP比0.2%)の1,078.2%増(約11.8倍)に拡大した。
<総外貨準備高(GIR)>
2022年9月末現在の総外貨準備高(GIR)は930億米ドルで、前年同月末比の1,066億米ドルを12.8%下回った。輸入・第一次所得の7カ月分、元本ベース短期対外負債の5.7倍、残存ベース短期対外負債の3.7倍に相当する水準である。2022年第3四半期の為替レートは1米ドル=56.36ペソと、前期(第2四半期)の1米ドル=52.64ペソに対しの6.6%のペソ安、前年同期の1米ドル=50.11ペソに対し11.1%のペソ安だった。
国際総合収支の詳細内訳(単位:百万米ドル、増減率表示はBSP方式による)
(出所:BSP資料より作成、注:2022年は全て速報値)
注:金融収支のプラス(マイナス)残高は純流出(純流入)を意味する。
<2022年第3四半期(7月~9月)>
2022年第3四半期の経常収支の赤字額は58億米ドル(GDP比6.2%)となり、前年同期の9億7,400万米ドル(GDP比1.1%)から495.2%増(約6倍)に拡大した。貿易赤字の急拡大を、海外フィリピン人就労者(OFW)送金など第二次所得収支等の黒字ではカバーできなかった。それらの結果、国際総合収支は前年同期の12億7,400万米ドルの黒字から47億3,000万米ドルの赤字に転落した。
<2022年9カ月間(1月~9月)>
2022年9カ月間の経常収支は178億1,500万米ドル(GDP比6.1%)の赤字となり、前年同期の赤字23億2,000万米ドル(GDP比0.8%)から668.0%増(約7.7倍)と急拡大した。輸入急増にともなう貿易収支悪化が響いた。それらの結果として、国際総合収支(BOP)は78億3,100万米ドルの赤字(GDP比2.7%)となり、前年同期の赤字6億6,500万米ドル(GDP比0.2%)の1,078.2%増(約11.8倍)に拡大した。
<総外貨準備高(GIR)>
2022年9月末現在の総外貨準備高(GIR)は930億米ドルで、前年同月末比の1,066億米ドルを12.8%下回った。輸入・第一次所得の7カ月分、元本ベース短期対外負債の5.7倍、残存ベース短期対外負債の3.7倍に相当する水準である。2022年第3四半期の為替レートは1米ドル=56.36ペソと、前期(第2四半期)の1米ドル=52.64ペソに対しの6.6%のペソ安、前年同期の1米ドル=50.11ペソに対し11.1%のペソ安だった。
国際総合収支の詳細内訳(単位:百万米ドル、増減率表示はBSP方式による)
項目 | 第3四半期 | 1月~9月 | ||||
年 | 21年 | 22年 | 増減率(%) | 21年 | 22年 | 増減率(%) |
経常収支 | -974 | -5,800 | -495.2 | -2,320 | -17,815 | -668.0 |
対GNI比(%) | -1.0 | -5.9 | - | -0.8 | -5.8 | - |
対GDP比(%) | -1.1 | -6.2 | - | -0.8 | -6.1 | - |
貿易・サービス・第一次所得収支 | -8,722 | -13,670 | -56.7 | -23,951 | -40,083 | -67.4 |
貿易・サービス収支 | -9,308 | -15,040 | -61.6 | -26,215 | -43,914 | -67.5 |
対GNI比(%) | -9.8 | -15.2 | - | -9.0 | -14.3 | - |
対GDP比(%) | -10.1 | -16.2 | - | -9.3 | -15.1 | - |
物品貿易収支 | -13,207 | -19,427 | -47.1 | -36,516 | -54,377 | -48.9 |
対GNI比(%) | -13.9 | -19.6 | - | -12.6 | -17.7 | - |
対GDP比(%) | -14.4 | -20.9 | - | -13.0 | -18.7 | - |
輸出 | 14,290 | 14,558 | 1.9 | 40,480 | 42,737 | 5.6 |
輸入 | 27,497 | 33,984 | 23.6 | 76,996 | 97,114 | 26.1 |
サービス収支 | 3,899 | 4,386 | 12.5 | 10,301 | 10,462 | 1.6 |
輸出 | 8,637 | 10,942 | 26.7 | 24,308 | 28,714 | 18.1 |
輸入 | 4,738 | 6,555 | 38.4 | 14,007 | 18,251 | 30.3 |
第一次所得収支 | 586 | 1,371 | 133.9 | 2,265 | 3,831 | 69.1 |
第二次所得収支 | 7,748 | 7,870 | 1.6 | 21,631 | 22,268 | 2.9 |
資本移転等収支 | 20 | 18 | -8.8 | 56 | 22 | -61.7 |
金融収支(マイナス勘定) | -2,636 | -2,756 | -4.6 | -1,253 | -10,320 | -723.8 |
直接投資 | -2,326 | -843 | 63.8 | -5,973 | -3,749 | 37.2 |
証券投資 | 1,160 | 1,435 | 23.7 | 8,564 | 1,989 | -76.8 |
金融派生商品 | -165 | -276 | -67.1 | -408 | -767 | -88.0 |
その他投資 | -1,305 | -3,072 | -135.5 | -3,436 | -7,792 | -126.8 |
誤差脱漏 | -407 | -1,704 | -318.6 | 346 | -357 | -203.1 |
国際総合収支 | 1,274 | -4,730 | -471.2 | -665 | -7,831 | -1,078.2 |
対GNI比(%) | 1.3 | -4.8 | - | -0.2 | -2.5 | - |
対GNI比(%) | 1.4 | -5.1 | - | -0.2 | -2.7 | - |
参考:OFW等の個人送金額合計 | 9,082 | 9,405 | 3.6 | 25,699 | 26,491 | 3.1 |
うち銀行経由分 | 8,199 | 8,479 | 3.4 | 23,117 | 23,825 | 3.1 |
注:金融収支のプラス(マイナス)残高は純流出(純流入)を意味する。
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