11月の製造業設備稼働率72.5%、コロナ禍以降で最高
生産数量5.9%増、生産金額12.7%増、販売金額19.7%増
2023/01/09
フィリピン統計庁(PSA)は1月6日、2022年11月の「特定産業月次総合調査」(MISSI)速報を発表した。調査は主要製造業949社を対象に行われたが、今回の発表数値は途中段階(回答企業615社、回答率64.8%)のものであり、後日かなり改訂される可能性があることに留意する必要がある。
製造業活動状況 (対前年同月上昇率 単位:%、2022年11月は速報値)
(出所:PSA資料より作成、2022年11月は速報値)
<生産>
2022年11月の製造業生産金額は、前年同月比(以下、同様)12.7%増となり、前月、前年同月から増加ペースが鈍化した。主要22産業部門のうち、電気以外の機械設備の製造が67.9%増加したのをはじめ17産業グループが増加した。一方、電気設備の53.6%減など5部門が前年同月を下回った。
同様に、生産数量は5.9%増加となり、前月から増加ペースが加速したが、前年同月からは鈍化した。主要22産業部門のうち電気以外の機械設備の製造が68.5%増加したのをはじめ15産業グループが増加した。一方、電気設備の54.5%減など7部門は前年同月を下回った。
全製造業の生産指数前年比上昇率の推移 (2018年=100、単位:%)
(出所:PSA資料より作成、a/:≦-0.05%、22年11月は速報値)
<純販売>
2022年11月の純販売額は前年同月比(以下同様)19.7%増となり、前月及び前年同月の増加ペースから鈍化した。主要22産業部門のうち飲料製造の93.4%増など13産業部門がプラス成長となった。一方、家具製造の40.2%減をはじめ9部門がマイナスであった。
純販売量は12.5%増となり、前月及び前年同月の増加ペースから鈍化した。主要22産業部門のうち、飲料製造の84.2%増など11産業部門がプラス成長となった。一方、家具製造の41.1%減をはじめ11部門が前年同月を下回った。
全製造業の純販売指数前年比上昇率の推移 (2018年=100、単位:%)
(出所:PSA資料より作成、22年11月は速報値)
<設備稼働率>
調査回答企業のデータによると、11月の平均設備稼働率は72.5%で前月の72.4%から更に改善、新型コロナウイルスパンデミック発生以降の最高更新を続けている。主要22産業部門のうち21部門の平均稼働率が60%を超えた。特に稼働率が高かったのは、コンピューター・電子製品・光学製品(80.6%)、電気以外の機械設備(80.0%)、家具(79.0%)だった。稼働率が60%に満たなかった唯一の部門は紙・紙製品(56.8%)だった。稼働率が90%~100%と回答した企業は、全体(563社)のうち18.7%、稼働率70%~89%は44.6%、稼働率50%~69%は11.9%、50%以下は12.8%だった。
製造業設備平均稼働率推移 (単位:%)
(出所:PSA資料より作成、22年11月は速報値)
製造業活動状況 (対前年同月上昇率 単位:%、2022年11月は速報値)
全製造業 | 2021年11月 | 2022年10月 | 2022年11月 |
生産指数 (2018年=100) | |||
金額 | 30.0 | 13.0 | 12.7 |
数量 | 28.6 | 5.3 | 5.9 |
純販売指数 (2018年=100) | |||
金額 | 29.6 | 29.4 | 19.7 |
数量 | 28.2 | 20.6 | 12.5 |
生産者物価指数 (2018年=100) | 1.1 | 7.3 | 6.4 |
<生産>
2022年11月の製造業生産金額は、前年同月比(以下、同様)12.7%増となり、前月、前年同月から増加ペースが鈍化した。主要22産業部門のうち、電気以外の機械設備の製造が67.9%増加したのをはじめ17産業グループが増加した。一方、電気設備の53.6%減など5部門が前年同月を下回った。
同様に、生産数量は5.9%増加となり、前月から増加ペースが加速したが、前年同月からは鈍化した。主要22産業部門のうち電気以外の機械設備の製造が68.5%増加したのをはじめ15産業グループが増加した。一方、電気設備の54.5%減など7部門は前年同月を下回った。
全製造業の生産指数前年比上昇率の推移 (2018年=100、単位:%)
年 | 2021年 | 2022年 | |||||||||||
月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 |
金額 | 30.0 | 19.6 | 15.0 | 77.0 | 369.8 | 5.4 | 6.6 | 7.9 | 12.6 | 12.8 | 11.8 | 13.0 | 12.7 |
数量 | 28.6 | 19.2 | 10.8 | 69.7 | 345.7 | -1.0 | -0.6 | a/ | 4.0 | 5.0 | 3.9 | 5.3 | 5.9 |
<純販売>
2022年11月の純販売額は前年同月比(以下同様)19.7%増となり、前月及び前年同月の増加ペースから鈍化した。主要22産業部門のうち飲料製造の93.4%増など13産業部門がプラス成長となった。一方、家具製造の40.2%減をはじめ9部門がマイナスであった。
純販売量は12.5%増となり、前月及び前年同月の増加ペースから鈍化した。主要22産業部門のうち、飲料製造の84.2%増など11産業部門がプラス成長となった。一方、家具製造の41.1%減をはじめ11部門が前年同月を下回った。
全製造業の純販売指数前年比上昇率の推移 (2018年=100、単位:%)
年 | 2021年 | 2022年 | |||||||||||
月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 |
金額 | 29.6 | 22.5 | 19.6 | 25.8 | 28.7 | 27.4 | 19.5 | 24.3 | 25.4 | 28.0 | 24.9 | 29.4 | 19.7 |
数量 | 28.2 | 22.0 | 15.1 | 20.6 | 22.1 | 19.7 | 11.3 | 15.2 | 15.9 | 19.1 | 16.0 | 20.6 | 12.5 |
<設備稼働率>
調査回答企業のデータによると、11月の平均設備稼働率は72.5%で前月の72.4%から更に改善、新型コロナウイルスパンデミック発生以降の最高更新を続けている。主要22産業部門のうち21部門の平均稼働率が60%を超えた。特に稼働率が高かったのは、コンピューター・電子製品・光学製品(80.6%)、電気以外の機械設備(80.0%)、家具(79.0%)だった。稼働率が60%に満たなかった唯一の部門は紙・紙製品(56.8%)だった。稼働率が90%~100%と回答した企業は、全体(563社)のうち18.7%、稼働率70%~89%は44.6%、稼働率50%~69%は11.9%、50%以下は12.8%だった。
製造業設備平均稼働率推移 (単位:%)
年 | 2021年 | 2022年 | |||||||||||
月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 |
稼働率 | 68.2 | 67.5 | 69.3 | 70.1 | 70.8 | 69.4 | 70.9 | 71.2 | 71.4 | 71.4 | 71.6 | 72.4 | 72.5 |