IPSの比通信事業、公共サービス法改正法でさらに優位に
グローブ等との協働の海底ケーブル網などの基盤整備進展
2023/03/24
国家経済開発庁(NEDA)は、3月20日、公共サービス法改正法(共和国法第11649号)における運用規則および規制(IRR、実施要領)を公布した。この公共サービス法改正法(PSA改正法)IRRは2023年4月4日正式発効となる。
昨年3月にドゥテルテ前大統領によって署名されたPSA改正法では、公益事業の定義を明確にし、公益事業の範疇に入らない業種への外資参入の投資や参入を促し、独占あるいは寡占状態にある公共サービスに公正な競争原理を導入することによって、公共サービスの質の向上とコスト低下を目指している。
PSA改正法では、5業種のみが公益事業と規定された。5業種とは、送配電、上下水道、石油および石油製品のパイプライン輸送システム、港湾、公共車両である。一方、電気通信、国内海運、鉄道と地下鉄、航空会社、高速道路と有料道路、および空港が公益事業の定義から除外され、外資100%投資が認められるようになった。
PSA改正法本格始動により、情報通信事業などを展開する株式会社アイ ピー エス(IPS、本社:東京都中央区)のフィリピンの通信事業展開に弾みがつきそうである。IPSは、3月23日、PSA改正法IRR実施容量公布に関して、次の様な発表を行った。
1.IRRの位置付け
フィリピン国内の通信事業などがPSA改正法の定義の中で「公益事業」の範疇から外れることになり、特定の条件のもとで外資の100%までの出資や外国人の就業が認められた。IRRはPSA改正法を受けて、外資による通信事業などへの50%を超える出資や外国籍職員の選任、雇用を行う際の条件、規制、手続き等を定めており、これによって外資企業による具体的参入の動きがでてくると想定される。IRRは2023年4月4日に施行される。
2.IPS事業への影響
IPS連結子会社の インフィニVAN社も、フィリピンで通信事業を営んでいる。IPSでは、グループのフィリピンにおける通信事業の環境にどの様な変化が生じるか、昨年の改正法成立以来、情報の収集や分析を慎重に継続してきた。今般の規制緩和が目指す方向性は、IPSの構想の実現に大いにプラスに働き、競争が進む中でIPSは以下の通り優位性を高められると考えている。
1. 外資による出資比率についての規制が緩和されることで、IPSグループにとってより多くの選択肢が生じ、よりスピード感を高めて事業を展開できる様になる。
2. フィリピンの通信分野への投資や進出を推進する外資によって、インフィニVAN社が敷設を先行する基幹回線設備や建設を進める国内海底ケーブル、ならびに今後の建設や取得を構想する国際海底ケーブルの陸揚局や通信回線設備などが、利用される機会が拡大する。
3. IPSの役職員などをより積極的にInfiniVANに派遣することができる様になれば、業務執行、技術導入、プロジェクト管理などの強化につながる。
IPSは、PSA 改正法の内容が当社の目指す方向性と一致しているため、同法の成立を非常に前向きに受け止めている。尚、外資企業がフィリピン通信市場に新規に参入する場合、国会の承認が必要となるなどのフィリピン特有の手続きに変更はない。通信事業者として先行しているインフィニVAN社の立ち位置を確固たるものとするため、IRRの公布を時機としてIPSが取り得る戦略的選択肢の検討を進め、従来に増して、フィリピンの通信環境整備ひいては経済発展に貢献していく方針である。
なお、インフィニVAN社は、2022年7月、フィリピンの通信企業グローブ テレコム(証券コード:GLO)とイースタンテレコミュ二ケーションズ フィリピン(イースタンテレコム)と共同でフィリピン国内海底ケーブルシステム(PDSCN)の建設を開始し、2022年12月、計画通り第一工期の建設が完了、2023年4月の完成に向け、第二工期の建設を実施中。
PDSCNは、ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島を結ぶフィリピン国内を縦貫する回線で、その工事区間は24区間、ケーブルの長さは約2,500Km、人口カバー率は96%、PDSCNと並行して、フィリピン国内基幹回線の建設も進行中。総投資額は1億4,200万米ドル(原則3社均等)。別途、伝送装置やインフィニiVAN単独の陸上部分の費用を合計すると、インフィニティVANの投資額合計は約6,300万米ドル(約85億円)となる。今後フィリピンの通信企業やCATV企業だけでなく、OTT企業などとの取引の拡大を図る。
昨年3月にドゥテルテ前大統領によって署名されたPSA改正法では、公益事業の定義を明確にし、公益事業の範疇に入らない業種への外資参入の投資や参入を促し、独占あるいは寡占状態にある公共サービスに公正な競争原理を導入することによって、公共サービスの質の向上とコスト低下を目指している。
PSA改正法では、5業種のみが公益事業と規定された。5業種とは、送配電、上下水道、石油および石油製品のパイプライン輸送システム、港湾、公共車両である。一方、電気通信、国内海運、鉄道と地下鉄、航空会社、高速道路と有料道路、および空港が公益事業の定義から除外され、外資100%投資が認められるようになった。
PSA改正法本格始動により、情報通信事業などを展開する株式会社アイ ピー エス(IPS、本社:東京都中央区)のフィリピンの通信事業展開に弾みがつきそうである。IPSは、3月23日、PSA改正法IRR実施容量公布に関して、次の様な発表を行った。
1.IRRの位置付け
フィリピン国内の通信事業などがPSA改正法の定義の中で「公益事業」の範疇から外れることになり、特定の条件のもとで外資の100%までの出資や外国人の就業が認められた。IRRはPSA改正法を受けて、外資による通信事業などへの50%を超える出資や外国籍職員の選任、雇用を行う際の条件、規制、手続き等を定めており、これによって外資企業による具体的参入の動きがでてくると想定される。IRRは2023年4月4日に施行される。
2.IPS事業への影響
IPS連結子会社の インフィニVAN社も、フィリピンで通信事業を営んでいる。IPSでは、グループのフィリピンにおける通信事業の環境にどの様な変化が生じるか、昨年の改正法成立以来、情報の収集や分析を慎重に継続してきた。今般の規制緩和が目指す方向性は、IPSの構想の実現に大いにプラスに働き、競争が進む中でIPSは以下の通り優位性を高められると考えている。
1. 外資による出資比率についての規制が緩和されることで、IPSグループにとってより多くの選択肢が生じ、よりスピード感を高めて事業を展開できる様になる。
2. フィリピンの通信分野への投資や進出を推進する外資によって、インフィニVAN社が敷設を先行する基幹回線設備や建設を進める国内海底ケーブル、ならびに今後の建設や取得を構想する国際海底ケーブルの陸揚局や通信回線設備などが、利用される機会が拡大する。
3. IPSの役職員などをより積極的にInfiniVANに派遣することができる様になれば、業務執行、技術導入、プロジェクト管理などの強化につながる。
IPSは、PSA 改正法の内容が当社の目指す方向性と一致しているため、同法の成立を非常に前向きに受け止めている。尚、外資企業がフィリピン通信市場に新規に参入する場合、国会の承認が必要となるなどのフィリピン特有の手続きに変更はない。通信事業者として先行しているインフィニVAN社の立ち位置を確固たるものとするため、IRRの公布を時機としてIPSが取り得る戦略的選択肢の検討を進め、従来に増して、フィリピンの通信環境整備ひいては経済発展に貢献していく方針である。
なお、インフィニVAN社は、2022年7月、フィリピンの通信企業グローブ テレコム(証券コード:GLO)とイースタンテレコミュ二ケーションズ フィリピン(イースタンテレコム)と共同でフィリピン国内海底ケーブルシステム(PDSCN)の建設を開始し、2022年12月、計画通り第一工期の建設が完了、2023年4月の完成に向け、第二工期の建設を実施中。
PDSCNは、ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島を結ぶフィリピン国内を縦貫する回線で、その工事区間は24区間、ケーブルの長さは約2,500Km、人口カバー率は96%、PDSCNと並行して、フィリピン国内基幹回線の建設も進行中。総投資額は1億4,200万米ドル(原則3社均等)。別途、伝送装置やインフィニiVAN単独の陸上部分の費用を合計すると、インフィニティVANの投資額合計は約6,300万米ドル(約85億円)となる。今後フィリピンの通信企業やCATV企業だけでなく、OTT企業などとの取引の拡大を図る。