SMプライム、ついに不動産投資信託(REIT)創設へ

年内に10億ドル規模のIPOへ、上場総額40億ドル見込み

2023/04/26

   総合不動産大手であり最大のショッピングモール開発企業であるSMプライム ホールディングス(SMプライム、証券コード:SMPH)のジェフリー・リム社長は、4月25日の年次株主総会において、不動産投資信託(REIT)創設準備に着手しており、今年下半期にSM REITの新規公開(IPO)実施やフィリピン証券取引所(PSE)上場を目指すと表明した。

 リム社長によると、SM REITのIPO規模は10億ドル(約560億ペソ)、上場総額は35億ドル~40億ドル程度となる見込む。SMプライムは保有不動産の一部をSM REITに組み込むプロセスを開始している。SMプライムは現在、国内で82のショッピングモール、中国で7つのショッピング モールを所有および運営している。当初は、そのうちの12~15のモールをSM REITに組込み、その後組込み数を増やして行く。

 フィリピンでは2020年以降にREITの創設・上場が相次ぎ、PSEには現在8つのREITが上場されている。フィリピンでは、2010年2月9日に不動産投資信託(REIT)法が発効となった。しかし、その後、税制や公開比率を巡っての意見対立が続き、REIT法成立後10年間は始動できない状態が続いた。2020年8月13日に、ようやく、アヤラランドによるフィリピン初のREIT(AREIT)がPSEに上場した。REIT法発行後10年以上かけて、REIT第1号が誕生したのである。その後は、大手不動産企業などによるREIT創設ラッシュとなっており、最大級の不動産企業SMプライムの動向が注目されてきている。