中央銀行、4月のインフレ率6.3~7.1%と推定

3月の7.6%から減速し8カ月ぶりの低水準の可能性

2023/04/30

  フィリピン統計庁(PSA)は、2023年5月5日午前9時、2023年4月の消費者物価(インフレ)統計を発表する予定である。それに先立ち、フィリピン中央銀行(BSP)は、4月28日、「2023年4月の消費者物価上昇率(総合インフレ率、前年同月比、2018年基準)は6.3%~7.1%の範囲内であったと推定している」と発表した。

 BSPは、2023年4月は、電気料金の引き下げ、魚・野菜価格の下落、LPG(液化石油ガス)価格の下落が物価上昇圧力の緩和に寄与したと分析。そして、石油製品価格の反騰、コメ・肉価格の上昇、ペソ安などの物価上昇圧力をこなし、前月の総合インフレ率7.6%から更に鈍化、2022年8月の6.3%以来、8カ月ぶりの低水準に低下した可能性があると見ている。


 ちなみに、3月の総合インフレ率は7.6%で、2月の8.6%から減速、5カ月ぶりの8%台割れ、2022年9月の6.9%以来半年ぶりの低水準となった。ただし、変動の激しい品目を除いたコアインフレ率は8.0%へとさらに加速(2月7.8%)、2000年12月の8.2%以来、22年3カ月ぶりの高水準となった。
 
 フィリピンのインフレ率推移(2012年基準と2018年基準との比較)
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年予 2024年予
2018年基準  N.A. 5.2% 2.4% 2.4% 3.9% 5.8% 6.0% 2.9%
2012年基準 2.9% 5.2% 2.5% 2.6% 4.5% N.A. N.A. N.A.
インフレ目標 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4%  2~4%  2~4%  2~4%
(出所:PSA資料などより作成、2023年以降の予想はBSPの2023年3月23日時点の予想)