4月のペソ1.84%下落、一時5カ月ぶりのペソ安水準に
米国景況感等が大きく影響、4カ月間では0.68%のペソ高
2023/05/01
フィリピン銀行協会(BAP)のペソ対米ドル為替データによると、2023年4月28日の終値は1米ドル=55.380ペソで、前月末から1.020ペソ下落、率にして1.84%のペソ安となった。4月の終値ベースで最もペソ高となったのは5日の1米ドル=54.400ペソ。最もペソ安となったのは19日の56.210ペソで、2022年12月1日の56.220ペソ以来約5カ月ぶりのペソ安水準となった。
4月は米国の景況感・インフレ動向、それらに伴う金融政策予測の変化や主要市場でのドルの動きに大きく左右される展開となった。上旬は米国景気悪化懸念や消費者物価指数(CPI)鈍化傾向を背景にしたドル安の流れが波及、ペソは一時54ペソ台前半へと上昇した。しかし、中旬は米国連邦準備理事会(FRB)の高官による更なる金融引き締め必要との発言などに伴う米金利上昇によるドル高の動きが波及、ペソは反落、56ペソ台に下落する場面もあった。月末にかけては、米国利上げ打ち止め観測が強まりドル安ペソ高の動きへとシフト、ペソの月末終値は55ペソ台前半となったが、月間ではペソ1.84%反落となった。
2023年4カ月間ではペソは0.68%の小幅上昇となった。4カ月間の終値ベースで最もペソ高になったのは2月3日の1米ドル=53.680ペソ、最もペソ安となったのは4月19日の1米ドル=56.210ペソであった。4月と同様、米国の景況感と金融政策動向に左右される一進一退の動きが続いている。59ペソという過去最安値を記録した昨年後半からの戻りを見せた後は、フィリピンの高水準の貿易赤字や台湾海峡緊張化懸念など地勢学的リスクもあって、ペソの上値が重い展開となっている。
ペソ対米ドルレートの動き(年末値/月末値)
(出所:フィリピン銀行協会資料より作成)
4月は米国の景況感・インフレ動向、それらに伴う金融政策予測の変化や主要市場でのドルの動きに大きく左右される展開となった。上旬は米国景気悪化懸念や消費者物価指数(CPI)鈍化傾向を背景にしたドル安の流れが波及、ペソは一時54ペソ台前半へと上昇した。しかし、中旬は米国連邦準備理事会(FRB)の高官による更なる金融引き締め必要との発言などに伴う米金利上昇によるドル高の動きが波及、ペソは反落、56ペソ台に下落する場面もあった。月末にかけては、米国利上げ打ち止め観測が強まりドル安ペソ高の動きへとシフト、ペソの月末終値は55ペソ台前半となったが、月間ではペソ1.84%反落となった。
2023年4カ月間ではペソは0.68%の小幅上昇となった。4カ月間の終値ベースで最もペソ高になったのは2月3日の1米ドル=53.680ペソ、最もペソ安となったのは4月19日の1米ドル=56.210ペソであった。4月と同様、米国の景況感と金融政策動向に左右される一進一退の動きが続いている。59ペソという過去最安値を記録した昨年後半からの戻りを見せた後は、フィリピンの高水準の貿易赤字や台湾海峡緊張化懸念など地勢学的リスクもあって、ペソの上値が重い展開となっている。
ペソ対米ドルレートの動き(年末値/月末値)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2012年 | 41.050ペソ | 6.80% |
2013年 | 44.395ペソ | -7.53% |
2014年 | 44.720ペソ | -0.73% |
2015年 | 47.060ペソ | -4.97% |
2016年 | 49.720ペソ | -5.35% |
2017年 | 49.930ペソ | -0.42% |
2018年 | 52.580ペソ | -5.04% |
2019年 | 50.635ペソ | 3.84% |
2020年 | 48.023ペソ | 5.44% |
2021年 | 50.999ペソ | -5.84% |
2022年 | 55.755ペソ | -8.53% |
2023年 1月末 | 54.640ペソ | 2.04% |
2月末 | 55.330ペソ | -1.25% |
3月末 | 54.360ペソ | 1.78% |
4月末 | 55.380ペソ | -1.84% |
4カ月間 | - | 0.68% |