6月30日、各金融機関の預金準備率引き下げへ
商業銀行等は12%から9.5%へ、6年前20%の半分以下に
2023/06/27
フィリピン中央銀行(BSP)は、各金融機関に課している預金準備率(RRR)を引き下げる。今回の引き下げ措置は6月30日に発効となる。
預金準備は、各金融機関が受け入れ預金総額の一定比率を中央銀行に強制的に預け入れさせられる制度である。預金準備率が引き下げられると、各金融機関の貸出余力が増え、市中流動性が高まることになる。すなわち、預金準備率引き下げは、非金利型緩和政策と言える。
この預金準備率は、6月30日、拡大商業銀行・商業銀行・準銀行機能を有するノンバンク金融機関が12.0%から9.5%へ、デジタル銀行が8.0%から6.0%へ、貯蓄銀行が3.0%から2.0%へ、地域銀行や貯蓄組合が2.0%から1.0%へと引き下げられる。商業銀行等の現行の12%という預金準備率はアジアの金融機関でも最高部類といえる水準であったが、遂に一桁台へ低下する。
今回の預金準備率引き下げは、新型コロナウイルスパンデミック禍で講じられた準備金規制遵守の代替手段が6月末で期限切れとなることに対応した措置とのことである。また、BSPは5月18日と6月22日に2会合連続で政策金利6.25%の据え置きを決定したが、依然としてインフレ圧力は強く、一気に利下げに転ずることは難しい状況である。そこで、非金利型緩和政策のひとつである預金準備率引き下げによる金融機関の融資促進、経済活動活性化を意図しているようだ。
上記のとおり、預金準備率引き下げは非金利型緩和政策のひとつであるが、BSPは、「金融政策設定の変更にはならない。BSPは引き続き、インフレ率を中期的にインフレ目標と一致した軌道に戻すことを優先し、主要政策金利を通じて金融政策スタンスを示していく」と強調している。預金準備率引き下げによる流動性増加は、6月30日にスタートする56日物BSP証券発行入札などによってバランスをとることで管理していくとも表明済みである。
なお、預金準備率は2018年から2022年まで低下傾向を辿ってきた。例えば、長年20%という高水準が続いてきた商業銀行・拡大商業銀行などに対する預金準備率は、2018年3月に1%、6月に1%引き下げられ、2018年末に18%となった。そして、2019年は5段回方式で4%引き下げられ、2019年末に14%まで低下した。さらに、2020年3月30日から2%引き下げられ、現在の12%に至っている。
預金準備は、各金融機関が受け入れ預金総額の一定比率を中央銀行に強制的に預け入れさせられる制度である。預金準備率が引き下げられると、各金融機関の貸出余力が増え、市中流動性が高まることになる。すなわち、預金準備率引き下げは、非金利型緩和政策と言える。
この預金準備率は、6月30日、拡大商業銀行・商業銀行・準銀行機能を有するノンバンク金融機関が12.0%から9.5%へ、デジタル銀行が8.0%から6.0%へ、貯蓄銀行が3.0%から2.0%へ、地域銀行や貯蓄組合が2.0%から1.0%へと引き下げられる。商業銀行等の現行の12%という預金準備率はアジアの金融機関でも最高部類といえる水準であったが、遂に一桁台へ低下する。
今回の預金準備率引き下げは、新型コロナウイルスパンデミック禍で講じられた準備金規制遵守の代替手段が6月末で期限切れとなることに対応した措置とのことである。また、BSPは5月18日と6月22日に2会合連続で政策金利6.25%の据え置きを決定したが、依然としてインフレ圧力は強く、一気に利下げに転ずることは難しい状況である。そこで、非金利型緩和政策のひとつである預金準備率引き下げによる金融機関の融資促進、経済活動活性化を意図しているようだ。
上記のとおり、預金準備率引き下げは非金利型緩和政策のひとつであるが、BSPは、「金融政策設定の変更にはならない。BSPは引き続き、インフレ率を中期的にインフレ目標と一致した軌道に戻すことを優先し、主要政策金利を通じて金融政策スタンスを示していく」と強調している。預金準備率引き下げによる流動性増加は、6月30日にスタートする56日物BSP証券発行入札などによってバランスをとることで管理していくとも表明済みである。
なお、預金準備率は2018年から2022年まで低下傾向を辿ってきた。例えば、長年20%という高水準が続いてきた商業銀行・拡大商業銀行などに対する預金準備率は、2018年3月に1%、6月に1%引き下げられ、2018年末に18%となった。そして、2019年は5段回方式で4%引き下げられ、2019年末に14%まで低下した。さらに、2020年3月30日から2%引き下げられ、現在の12%に至っている。