5月の失業率4.3%に低下、過去最低(4.2%)へ接近

失業者26%減、不完全就業率も11.7%で2番目の低さ

2023/07/09

 フィリピン統計庁(PSA)は7月7日、2023年5月の労働力調査(LFS)速報を発表した。それによると、2023年5月の15歳以上の失業率は4.3%で、前月から0.2%ポイント、前年同月から1.7%ポイント改善した。前月比では3カ月連続の低下、2022年12月の4.3%以来、5カ月ぶりの低水準となった。そして、2005年4月に現行集計基準を採用してからの最低記録である2022年11月の4.2%に近づいた。

 フィリピンの失業率等の比較(単位:%)
全国 労働参加率 失業率 不完全就業率
2019年 61.3 5.1 13.8
2020年 59.5 10.3 16.2
2021年 63.3 7.8 15.9
2022年 64.7 5.4 14.2
 
2022年5月 64.0 6.0 14.5
6月 64.8 6.0 12.6
7月 65.2 5.2 13.8
8月 66.1 5.3 14.7
9月 65.2 5.0 15.4
10月 64.2 4.5 14.2
11月 67.5 4.2 14.4
12月 66.4 4.3 12.6
2023年1月 64.5 4.8 14.1
2月 66.6 4.8 12.9
3月 66.0 4.7 11.2
4月 65.1 4.5 12.9
5月 65.3 4.3 11.7
2023年1-5月 65.5 4.6 12.5
(出所:PSA資料より作成、22年5月以降全て速報値)

 2023年5月の15歳以上の人口7,717万人のうち、労働力人口は前年同月比(以下同様)2.9%増の5,043万人で、労働参加率は65.3%となり、前年同月から1.7%ポイント上昇した。

 就業者数は5.3%増の4,826万人、就業率(雇用率)は95.5%と前年同月を1.3%ポイント上回った。就業者を業種別に分類すると、農業部門が24.3%(前年同月22.0%)、鉱工業部門が16.9%(同19.0%)、サービス部門が58.8%(同59.0%)であった。就業形態は、賃金労働者が全体の60.5%を占め、その46.5%が民間企業労働者、8.8%が政府系企業社員・公務員だった。自営・事業主は全体の30.3%、無給家内労働者は9.2%。また、週平均労働時間は39.3時間で、前年同月の39.8時間を約0.5時間下回った。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の63.0%(前年同月62.6%)。

 不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は15.1%減の566万人。不完全就労者全体の62.8%が労働時間週40時間以下だった。不完全就業率は11.7%で前年同月の14.5%、前月の12.9%から改善。2005年4月に現行集計基準を採用してからの最低記録である2023年3月の11.2%に次ぐ低さとなった。
 
 失業者数は26.0%減の217万人。年齢層でみると、15歳-24歳が全体の33.5%、25歳-34歳が37.8%と合計で全体の71.3%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は36.5%(卒業者は27.5%)、大学進学・卒業者が39.1%(卒業者は27.5%)だった。性別では、男性54.0%、女性46.0%と男性が上回っている。