ゼンモブ、クラークでスマート公共交通システム実証

基地転換開発庁と覚書、SMOCで運行効率最大化へ

2023/10/12

 基地転換開発庁(BCDA)は、「10月5日、クラーク経済特別区内におけるエネルギー効率の高いスマートな公共交通システムの実証実験について、日本の運輸分野の情報技術(IT)ソリューションプロバイダーであるZenmov(ゼンモブ)およびフィリピンのMCメトロ トランスポート オペレーション社(MCメトロ社)と覚書を交わした」と発表した。

 この2年間の実証プロジェクトでは、スマートモビリティ・オペレーション・クラウド(SMOC)を利用して、ニュークラークシティ、クラーク自由港区、クラーク民間航空コンプレックスのルートで、「ラストワンマイル」サービスであるプライマリー・ラピッド・トランジットと呼ばれる新しい公共交通システムを運行する。このアプリケーションにより、Zenmovは、公共交通サービスシステムの有効性を測定・検証、交通需要データに基づく無駄のない配車システムを管理することで、車両数を最小限に抑えながら運行効率を最大化することを目指す。

 今回のMOA調印は、2023年1月30日にBCDAと日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との間で、ニュークラークシティとその周辺で実施されるスマートモビリティ技術の実証プロジェクトに関する覚書が締結されたことに続くものである。NEDOはその後、スマートモビリティ実証プログラムの実施にZenmovを指名した。

 SMOCアプリケーションの利用を補完するため、ZenmovとMCメトロ社は低炭素電気自動車と自転車を配備し、スマートポール、ドローン、充電ステーションなどを設置し、交通管理に関するリアルタイムのデータ収集と発信を行う。実証プロジェクト終了後、ZenmovはBCDAに対し、交通需要分析、スマートモビリティシステムの運用可能性、温室効果ガス削減の定量分析などを含む調査結果、評価、提言を含む最終報告書を提出する。

 BCDAとその官民パートナーは、スマートモビリティ・ソリューションの検討以外にも、再生可能エネルギー源の最大化、アクティブ・モビリティの推進、生物多様性の保全、土地面積の60%を公園や緑地、水域に確保するなど、開発において重要なグリーン施策を打ち出している。これらの取り組みはすべて、持続可能でスマートなグリーン開発に対するBCDAのコミットメントに沿ったものである。