三菱電機製の警戒管制レーダー、1基目が比空軍に

国産完成装備品初の移転案件、合計4基で約1億ドル

2023/11/02

 日本防衛省は、11月2日、「防衛装備移転三原則が2014年4月に策定されたことを受け、官民一体となって、防衛装備品の移転に向け取り組んできた。このような中で、三菱電機製の警戒管制レーダーがフィリピン空軍に納入された」と発表した。

 この納入は日・フィリピン防衛装備品・技術移転協定に基づいて実施される移転案件であり、日本から海外への完成装備品の移転としては初の案件である。

 2020年8月25日に、日・フィリピン防衛装備品・技術移転協定に基づくフィリピンの警戒・監視能力向上に係る協力として、フィリピン国防省と三菱電機との間で三菱電機製警戒管制レーダー(4基)を約1億ドルで納入する契約が成立した。今般、この契約に基づく1基目のレーダーがフィリピン空軍に納入されたのである。

 今回納入されたレーダーは、フィリピン空軍の要求に基づき、航空自衛隊固定式警戒管制レーダー装置(J/FPS‐3)及び陸上自衛隊対空レーダー装置(JTPS‐P14)を開発・製造した経験を踏まえ、三菱電機において新たに開発・製造した警戒管制レーダーFPS‐3MEである。

 日本にとってフィリピンは、基本的価値を共有する戦略的パートナーであり、フィリピンとの防衛装備・技術協力を推進することは、日本及び地域の平和と安定の確保においても重要である。引き続き両国間での連携を強化して行く方針である。