10月末の外貨準備高、5カ月ぶり1千億ドル回復

前月末比3%増の1,011億ドル、輸入7.5カ月分

2023/11/08

  フィリピン中央銀行(BSP)の11月7日の速報データによると、2023年10月末の総外貨準備高(GIR)は前年同月末比7.5%増の1,011億米ドルと上昇し、前月末(9月末)の981億米ドルから3.0%増加した。5カ月ぶりに1,000億米ドルを突破した。

 10月末のGIRは、輸入・第一次所得の7.5カ月分に相当する。また、短期対外負債の約5.9倍(元本ベース)、残存ベースで3.7倍に相当する水準でもある。BSPによると、十分な外部流動性バッファーとのことである。

 前月からのGIRの増加は、主に、国内における小売りドル債発行による収益を含む政府のBPSへの外貨預金、及び、国際市場の金価格上昇に伴う中央銀行の金保有価値の上方評価調整、BSPの外為操作と海外投資からの利益等を反映している。

 BSPの準備資産と準備負債(短期対外負債及び国際通貨基金からの信用貸付け)の差額を示す純外貨準備高(NIR)は、10月末時点で、1,004億米ドルとなり、9月末の水準(981億米ドル)から23億米ドル増加した。

 
フィリピンの総外貨準備高推移(単位:百万米ドル)
項目 年末値  10月末 伸び率
年・月 19年 20年 21年 22年 22年 23年 前月比 前年同月比
総外貨準備高(GIR) 87,840 110,117 108,794 96,149 94,028 101,091 3.0% 7.5%
輸入カバー率(月数) 7.6 12.3 9.7 7.2 7.0 7.5 -
(出所:BSP資料より作成、2023年10月末は速報値)