比セブン‐イレブン連続最高益へ、9カ月間で72%増の23億ペソ
収入27%増の566億ペソ、9月末3,624店で断トツ、26年に5千店目標
2023/11/17
フィリピンのコンビニエンスストア(コンビニ)首位のフィリピン セブン-イレブン(比セブン-イレブン)は、台湾系のプレジデント・チェーンストア(ラブアン)ホールディングスが55.322%(2023年9月末現在)を保有するフィリピン セブン社(証券コード:SEVN)によって運営されている。
近年急成長を続けてきたSEVNは新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで急ブレーキがかかり2020年、2021年と2年連続で赤字決算、店舗増加数も2020年は114店、2021年は95店にとどまった。しかし、下表のように2022年の業績は急回復、純利益は20億5,700万ペソに達し、3年ぶりの黒字に回復するばかりでなく、過去最高益を大幅更新した。店舗数も320店増加し、2022年末には業界断トツの3,393店に達した。
2023年に入ってもSEVNの業績は大幅続伸基調、2年連続での年間最高益更新が期待される。2023年9カ月間(1月~9月)のグループ総売上高は前年同期比(以下同様)26.2%増の591億ペソに達した。既存店売上高は13%増加した。営業収入は26.6%増の566億ペソ、営業利益は47.1%増の34億ペソ、純利益は72.3%増の22億6,720万ペソと大幅増収増益。そして、9カ月間ベースで収益ともに過去最高であり、既に、2022年に記録した年間最高益20億5,700万ペソを上回っている。
このような状況下で、SEVNは出店ピッチを再び高めつつあり、2023年は40億ペソを投じて400店を出店する計画である。すなわち、2023年末に約3,800店とし、2024年央に4,000店達成を目指している。そして、2026年央に5,000店到達を目標としている。比セブン-イレブンの2023年9月末の店舗数は3,624店、2022年末の3,393店から231店、率にして6.8%の純増となった。2023年9カ月間で252店をオープン、21店を閉鎖した。1年前の2022年9月末の3,282店からは342店、率にして10.4%の純増である。
2023年9月末の3,624店の地域別内訳は、マニラ首都圏1,085店、首都圏以外のルソン地域1,643店、セブを中心とするビサヤ地域524店、ダバオを中心とするミンダナオ地域372店。全体では自営店が1,884店(52%)、フランチャイズ店が1,740店(48%)となっている。
地域別のセブン-イレブン店舗数推移(単位:百万ペソ)
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)
フィリピンセブン-イレブン既存店の増収率の推移
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)
フィリピンセブン-イレブン店舗数(年末値)とSEVNの純利益推移(単位:百万ペソ、2023年は9月末)
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)
主な日本ブランドのコンビニ店舗数(年末値、資本的に日系はローソンのみ、ミニストップはブランド名変更)
(出所:各社の店舗情報などから作成)
近年急成長を続けてきたSEVNは新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで急ブレーキがかかり2020年、2021年と2年連続で赤字決算、店舗増加数も2020年は114店、2021年は95店にとどまった。しかし、下表のように2022年の業績は急回復、純利益は20億5,700万ペソに達し、3年ぶりの黒字に回復するばかりでなく、過去最高益を大幅更新した。店舗数も320店増加し、2022年末には業界断トツの3,393店に達した。
2023年に入ってもSEVNの業績は大幅続伸基調、2年連続での年間最高益更新が期待される。2023年9カ月間(1月~9月)のグループ総売上高は前年同期比(以下同様)26.2%増の591億ペソに達した。既存店売上高は13%増加した。営業収入は26.6%増の566億ペソ、営業利益は47.1%増の34億ペソ、純利益は72.3%増の22億6,720万ペソと大幅増収増益。そして、9カ月間ベースで収益ともに過去最高であり、既に、2022年に記録した年間最高益20億5,700万ペソを上回っている。
このような状況下で、SEVNは出店ピッチを再び高めつつあり、2023年は40億ペソを投じて400店を出店する計画である。すなわち、2023年末に約3,800店とし、2024年央に4,000店達成を目指している。そして、2026年央に5,000店到達を目標としている。比セブン-イレブンの2023年9月末の店舗数は3,624店、2022年末の3,393店から231店、率にして6.8%の純増となった。2023年9カ月間で252店をオープン、21店を閉鎖した。1年前の2022年9月末の3,282店からは342店、率にして10.4%の純増である。
2023年9月末の3,624店の地域別内訳は、マニラ首都圏1,085店、首都圏以外のルソン地域1,643店、セブを中心とするビサヤ地域524店、ダバオを中心とするミンダナオ地域372店。全体では自営店が1,884店(52%)、フランチャイズ店が1,740店(48%)となっている。
地域別のセブン-イレブン店舗数推移(単位:百万ペソ)
場所 | 2022年末 | 2023年9ケ月純増数 | 2023年9月末 |
マニラ首都圏 | 1,063 | 22 | 1,085 |
ルソン地方(首都圏除く) | 1,505 | 138 | 1,643 |
ビサヤ地方 | 489 | 35 | 524 |
ミンダナオ地方 | 336 | 36 | 372 |
合計 | 3,393 | 231 | 3,624 |
フィリピンセブン-イレブン既存店の増収率の推移
年/四半期 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 年間 |
2023 | +23.3% | +11.1% | +13.0% | - | - |
2022 | +16.1% | +39.2% | +35.2% | +26.6% | +28.8% |
2021 | -20.1% | -5.1% | +3.4% | +8.5% | -4.6% |
2020 | +2.5% | -25.5% | -25.2% | -23.7% | -18.4% |
2019 | +6.8% | +13.0% | +10.1% | +10.1% | +10.3% |
フィリピンセブン-イレブン店舗数(年末値)とSEVNの純利益推移(単位:百万ペソ、2023年は9月末)
時期 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年 | 22年 | 23年 |
店舗数 | 1,282 | 1,602 | 1,995 | 2,285 | 2,550 | 2,864 | 2,978 | 3,073 | 3,393 | 3,624 |
純利益 | 873 | 1,008 | 1,176 | 1,318 | 1,532 | 1,445 | -420 | -461 | 2,057 | 2,267 |
主な日本ブランドのコンビニ店舗数(年末値、資本的に日系はローソンのみ、ミニストップはブランド名変更)
年・月 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年 | 22年 | 23年9月 |
セブン-イレブン | 1,602 | 1,995 | 2,285 | 2,550 | 2,864 | 2,978 | 3,073 | 3,393 | 3,624 |
ファミリーマート | 120 | 99 | 66 | 69 | 76 | N.A. | N.A. | N.A. | N.A. |
ローソン | 16 | 29 | 31 | 38 | 60 | 64 | 68 | 100 | 116 |