三井住友銀行、RCBCとの連携で比事業基盤強化
RCBCの業界番付も急上昇、6日には共同セミナー開催
2023/12/07
三井住友銀行と ユーチェンコ財閥傘下の有力拡大商業銀行であるリサール商業銀行(RCBC、証券コード:RCB)は、12月6日、マニラ首都圏マカティ市のRCBCプラザにおいて共同セミナー「Economic Briefing」を開催した。
このセミナーは2部制で、第1部では三井住友銀行アジア・大洋州トレジャリー部エコノミストの阿部良太氏が「世界・アジア経済の見通し」、第2部ではRCBCのチーフエコノミストMichael Ricafort氏が「フィリピン経済の見通し」という講演を行った。両氏のわかりやすく明瞭かつ詳細な説明で有意義なセミナーとなった。
三井住友銀行は、2023年7月末にRCBCの普通株式15.01%の追加取得を完了した。この追加出資額は271億2,600万ペソ(約700億円)。この追加取得により、三井住友銀行のRCBC普通株式持分比率はそれまでの4.99%から20.00%となり、RCBCは三井住友フィナンシャルグループおよび三井住友銀行の持分法適用会社となった。これらの結果、RCBCの株主と保有比率は、ユーチェンコ財閥グループの持株会社パンマラヤン マネジメント&インベストメント33.9%、三井住友銀行20.0%、キャセイ ライフインシュアランス18.7%、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)4.5%となった。
三井住友銀行は、中長期的な目線でアジアの成長を捕捉する戦略として、マルチフランチャイズ戦略に取り組んでおり、重要国の一つと位置付けるフィリピンにおいては、2021年6月の4.99%出資を機にRCBCとの提携を開始している。1960年設立のRCBCは日系企業とも数多くの提携実績のあるユーチェンコ財閥グループの一社であり、現地銀行のなかでも最大規模で展開するジャパンデスク事業に加え、デジタルバンキング・ESG(環境、社会、ガバナンス)等の分野において高い評価を得ている地場主要銀行である。
この出資により、三井住友銀行のフィリピンの事業基盤は一段と強化されたといえる。一方、RCBCの財務基盤も強化されるとともに、業界における資産ランキングも大幅に上昇している。表1、表2のとおり、2019年9月末の総資産は6,707億ペソで民間銀行8位であったが、2023年9月末には1兆2,003億ペソへとほぼ倍増、業界第5位へと急上昇、第4位も狙える状況にある。自己資本も急増、対リスク資産自己資本比率(CAR)は14.07%から17.1%へと急上昇している。
三井住友銀行は、2015年9月1日、マニラ首都圏マカティ市にマニラ支店(Sumitomo Mitsui Banking Corporation Manila Branch)を開設し、営業を開始した。このマニラ支店開設は、2014年7月にフィリピン政府によって、外国銀行に対する参入規制が緩和されて以来、外国銀行として初の支店開設となった。1975年に駐在員事務所を設置し、現地での情報収集活動を行ってきたが、マニラ支店開設により、フィリピン国内で預金、資金、為替等の銀行サービスを提供することが可能となった。現在、顧客へのサービス体制を拡充し、現地における金融ニーズにきめ細かく対応している。
表1.2023年9月末の民間上位銀行資産等の状況(単位:億ペソ、自己資本比率は対リスク資産{CAR})
(出所:各銀行の事業報告書などより)
表2.2019年9月末の民間上位銀行資産等の状況(単位:億ペソ、自己資本比率は対リスク資産{CAR})
(出所:各銀行の事業報告書などより)
このセミナーは2部制で、第1部では三井住友銀行アジア・大洋州トレジャリー部エコノミストの阿部良太氏が「世界・アジア経済の見通し」、第2部ではRCBCのチーフエコノミストMichael Ricafort氏が「フィリピン経済の見通し」という講演を行った。両氏のわかりやすく明瞭かつ詳細な説明で有意義なセミナーとなった。
三井住友銀行は、2023年7月末にRCBCの普通株式15.01%の追加取得を完了した。この追加出資額は271億2,600万ペソ(約700億円)。この追加取得により、三井住友銀行のRCBC普通株式持分比率はそれまでの4.99%から20.00%となり、RCBCは三井住友フィナンシャルグループおよび三井住友銀行の持分法適用会社となった。これらの結果、RCBCの株主と保有比率は、ユーチェンコ財閥グループの持株会社パンマラヤン マネジメント&インベストメント33.9%、三井住友銀行20.0%、キャセイ ライフインシュアランス18.7%、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)4.5%となった。
三井住友銀行は、中長期的な目線でアジアの成長を捕捉する戦略として、マルチフランチャイズ戦略に取り組んでおり、重要国の一つと位置付けるフィリピンにおいては、2021年6月の4.99%出資を機にRCBCとの提携を開始している。1960年設立のRCBCは日系企業とも数多くの提携実績のあるユーチェンコ財閥グループの一社であり、現地銀行のなかでも最大規模で展開するジャパンデスク事業に加え、デジタルバンキング・ESG(環境、社会、ガバナンス)等の分野において高い評価を得ている地場主要銀行である。
この出資により、三井住友銀行のフィリピンの事業基盤は一段と強化されたといえる。一方、RCBCの財務基盤も強化されるとともに、業界における資産ランキングも大幅に上昇している。表1、表2のとおり、2019年9月末の総資産は6,707億ペソで民間銀行8位であったが、2023年9月末には1兆2,003億ペソへとほぼ倍増、業界第5位へと急上昇、第4位も狙える状況にある。自己資本も急増、対リスク資産自己資本比率(CAR)は14.07%から17.1%へと急上昇している。
三井住友銀行は、2015年9月1日、マニラ首都圏マカティ市にマニラ支店(Sumitomo Mitsui Banking Corporation Manila Branch)を開設し、営業を開始した。このマニラ支店開設は、2014年7月にフィリピン政府によって、外国銀行に対する参入規制が緩和されて以来、外国銀行として初の支店開設となった。1975年に駐在員事務所を設置し、現地での情報収集活動を行ってきたが、マニラ支店開設により、フィリピン国内で預金、資金、為替等の銀行サービスを提供することが可能となった。現在、顧客へのサービス体制を拡充し、現地における金融ニーズにきめ細かく対応している。
表1.2023年9月末の民間上位銀行資産等の状況(単位:億ペソ、自己資本比率は対リスク資産{CAR})
行名 | 総資産 | 純資産 | 自己資本 | 預金残高 | 融資残高 |
BDOユニバンク | 42,883 | 5,005 | 15.6% | 34,081 | 27,383 |
メトロバンク | 29,570 | 3,422 | 18.4% | 23,469 | 14,353 |
BPI | 27,099 | 3,496 | 17.0% | 21,712 | 17,411 |
チャイナバンク | 14,109 | 1,413 | 15.8% | 11,448 | 7,460 |
RCBC | 12,003 | 1,467 | 17.10% | 9,018 | 6,212 |
PNB | 11,792 | 1,825 | 16.6% | 9,060 | 6,094 |
ユニオンバンク | 11,424 | 1,730 | 15.8% | 7,247 | 5,310 |
セキュリティバンク | 8,147 | 1,326 | 16.3% | 5,617 | 5,022 |
表2.2019年9月末の民間上位銀行資産等の状況(単位:億ペソ、自己資本比率は対リスク資産{CAR})
銀行名 | 総資産 | 純資産 | 自己資本比率 | 預金残高 | 融資残高 |
BDOユニバンク | 30,922 | 3,640 | 14.63% | 24,090 | 21,414 |
メトロバンク | 23,293 | 3,136 | 17.60% | 15,766 | 14,124 |
BPI | 21,258 | 2,712 | 17.00% | 16,199 | 13,718 |
PNB | 11,795 | 1,519 | 14.58% | 8,210 | 6,448 |
チャイナバンク | 9,537 | 929 | 12.73% | 7,772 | 5,525 |
セキュリティバンク | 8,069 | 1,178 | 17.97% | 4,865 | 4,438 |
ユニオンバンク | 6,858 | 970 | 15.50% | 4,183 | 3,463 |
RCBC | 6,707 | 847 | 14.07% | 4,242 | 4,336 |