政府のGDP成長率目標、2024年は6.5~7.5%に下方修正

25年~28年は6.5~8.0%、インフレ率2~4%、1ドル55~58ペソ

2023/12/18

 多くの国際機関、調査機関、格付機関が、フィリピンGDP成長率予想を下方修正している。そして、2023年は政府目標6.0%~7.0%を下回ると予想するようになっている。2024年についても、これまで政府目標の6.5%~8.0%を下回るとの予想が増えている。

 こうした状況下において、開発予算調整委員会(DBCC)は、12月15日、最近の内外情勢を分析するとともに、政府の2023年~2028年までの中期マクロ経済に関する前提や財政計画、成長目標の見直しを行った。DBCCは政府の経済関係部署の横断機関であり、マクロ経済目標決定などの役割を担っている。

 今回の見直しにおいて、2023年のGDP実質成長率は6.0%で、2023年の政府成長率目標6.0%~7.0%の下限には達したと推定されている。2024年目標に関しては、これまでの6.5%~8.0%から6.5%~7.5%へ上限が下方修正された。25年~28年に関しては、これまでの6.5%~8.0%という目標が継続されることとなった。その前提条件には、下表のように設定されている。

 マクロ経済予想の前提条件に関しては、平均インフレ率は2023年が6.0%と推定され、2024年~2028年まではこれまでの2.0%~4.0%が踏襲されている。2023年は2~4%というインフレ目標の上限を大幅に突破するが、2024年以降はインフレ目標内に収まると想定されている。ドバイ原油価格については、2024年は1バレル70米ドル~90米ドル、2024年以降は65米ドル~85米ドルで推移すると想定された。

 ペソ対米ドルレートに関しては、2024年から2028年まで1米ドル=55ペソ~58ペソで、これまでの53ペソ~57ペソよりは若干ペソ安と想定されている。一方、2023年の輸出伸び率はマイナス4.0%(前回想定は+1.0%)、輸入伸び率はマイナス3.0%(前回は+2.0%)へと大幅下方修正された。2024年から2028年については、輸出、輸入ともにプラス成長に戻ると想定されている。

 フィリピンのGDP実質成長率の推移と目標(2018年基準、単位:%)
15 16 17 18 19 20 21 22  23目標 24目標 25~28目標 
伸び率 6.3 7.1 6.9 6.3 6.1 -9.5 5.7 7.6 6.0~7.0  6.5~7.5 6.5~8.0 
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、目標は2023年12月15日のDBCC設定数値)

 マクロ経済目標・見通しの前提条件(2023年12月15日設定、太字が前回からの変更)
マクロ経済指標 2023年 2024年  2025年~28年
インフレ率(%) 6.0 2.0~4.0 2.0~4.0
ドバイ原油価格(米ドル/1バレル) 82~85 70~90 65~85
外国為替レート(ペソ/米ドル) 55.5~56 55~58 55~58
物品輸出増加率(BPM6基準) -4.0% 5.0% 6.0%
物品輸入増加率(BPM6基準) -3.0% 7.0% 8.0%
(出所:NEDA資料より)