23年のバナナ輸出11%増の12億ドル、本格回復に至らず

コロナ直前19年の19億ドルに遠く及ばず、日本等でのシェア低下

2024/02/23

 フィリピン統計庁(PSA)によると、下表のとおり2023年の生鮮バナナ輸出額は前年比11.1%増の12億2,026万米ドルとなり、年ぶりの高水準となった。

 2010年代後半から感染拡大したバナナを枯らす「新パナマ病」で大きな被害を受けた農園で生産量回復が進み、輸出も回復基調となった。しかし、ピークであった新型コロナパンデミック直前の2019年の19億3,088万米ドルの6割程度の水準に過ぎず、本格回復とは言い難い状況である。関税率問題などで、日本や韓国など主要市場でのフィリピン産バナナのシェア低下などの問題もある。2024年第1四半期も主要産地であるミンダナオ島での洪水の影響が懸念される。

 2023年の輸出上位10品目(単位:百万米ドル-FOB価格、%)
年・月 2023年12月 2023年1月-12月
順位 品目 輸出額 構成比 増減率 輸出額 構成比 増減率
1 電子製品 3,376.28 58.4 2.8 41,900.49 57.0 -9.2
2 その他工業製品 314.54 5.4 11.7 3,973.77 5.4 1.2
3 車両用等配線セット 202.01 3.5 -0.5 2,656.56 3.6 11.8
4 その他鉱産物 155.27 2.7 -46.1 3,138.12 4.3 -18.3
5 145.65 2.5 68.6 1,167.50 1.6 16.3
6 化学製品 145.44 2.5 18.3 1,648.18 2.2 -2.7
7 機械・輸送機器 142.36 2.5 -20.9 2,415.31 3.3 9.0
8 銅カソード類 141.51 2.4 -7.3 1,941.13 2.6 2.3
9 バナナ(生) 109.90 1.9 29.2 1,220.26 1.7 11.1
10 ココナツ油 105.50 1.8 4.3 1,172.35 1.6 -44.2
上位10品目 4,838.45 83.7 1.1 -
輸出総額 5,779.00 100.0 -0.5 73,521.97 100.0 -7.6
(注:3.車両用等配線セット:車両・航空機・船舶用の点火用配線・その他配線セット)