比ヤクルトの販売堅調、第1四半期は海外第3位に

1日374万本に、インドネシア559万本で首位、中国369万本

2024/05/15

 5月14日のヤクルト本社の決算発表補足資料などによると、2024年第1四半期(1月~3月)の比ヤクルトの1日当り販売数量(速報値)は前年同期比(以下同様)4.4%減の373万8千本だった。小幅減少ではあるが、前年同期が391万本と非常に高水準であったことによるものであり、依然として堅調な販売が続いたと言えよう。

 海外市場ではインドネシアの559万本、メキシコの395万5本に次ぐ世界第3位となった。中国本土は24.7%減の368万7千本と大幅減少、フィリピンが上回った。そして、前年同期比に関しては、1日当たり100万本以上の主要市場の中では、ベトナムの17.1%増、メキシコの1%増に次ぐ堅調な推移となっている。

 比ヤクルトの1日平均販売数量は、2011年から2019年まで9年連続で販売本数が増加、そのうち2014年から2018年までは5年連続の二桁増加という成長を見せた。2007年に1日当たり販売本数は100万3千本と100万本の大台突破、2015年に同213万9千本で200万本突破、2018年は同300万本台突破と順調に拡大してきている。2020年は世界的な新型コロナパンデミックで10年連続の増加はならなかったが、小幅減少にとどまった。そして、2021年は同16.8%増の353万9千本、2022年は同6.7%増の377万7千本と2年連続で過去最高記録を更新するに至った。

 2023年(1月~12月)の比ヤクルトの1日当り販売数量は前年比2.6%減の368万1千本だった。小幅減少は2022年までの2年連続の過去最高更新の反動という要素もある。依然、過去最高に近い水準での推移であり、新型コロナパンデミック発生直前2019年の319万6千本からは約15%増加している。

 ヤクルト本社が40%出資するヤクルト フィリピン(比ヤクルト、持分法適用会社)は、2023年10月に事業開始45周年を迎えた。比ヤクルトは1977年5月25日に設立され、翌年の1978年10月に事業を開始した。ルソン島南部のラグナ州カランバ市に立地するカランバ工場(第1工場)にて「ヤクルト」の生産を開始し、現在は「ヤクルト」、「ヤクルトライト」の生産を行っている。

 日本と同基準の厳しい品質管理の下に製造された「ヤクルト」類を1本20円台という低価格で販売してきている。「ヤクルト」は、医薬品を購入する余力のない低所得層にとって安価な栄養食品であり、庶民の強い味方として知名度も高い。

 ヤクルトフィリピンの1日当たり販売数量推移(単位:千本、伸び率は前年比もしくは前年同期比)
13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年1Q  
数量 1,594 1,877 2,139 2,449 2,762 3,088 3,196 3,030 3,539 3,777 3,681 3,738 
伸び率 6.2% 17.7% 14.0% 14.5% 12.8% 11.8% 3.5% -5.3% 16.8% 6.7% -2.6% -4.4% 
(出所:ヤクルト本社決算発表補足資料などから作成)

 2024年1月~3月度のヤクルト海外乳製品売上数量(単位:千本/日)
国名 連結
区分
2024年1月~3月(速報値)
売上数量 前年比伸び率
フィリピン 持分法 3,738 -4.4%
台湾 持分法 523 -1.2%
香港 連結 265 -14.0%
タイ 持分法 2,063 -8.3%
韓国 持分法 1,969 -7.6%
シンガポール 連結 214 -4.5%
インドネシア 連結 5,590 -11.3%
オーストラリア 連結 354 3.3%
マレーシア 連結 363 0.7%
ベトナム 連結 1,089 17.1%
インド 連結 199 -12.4%
中東 連結 20 15.8%
ミャンマー 連結 - -
中国 連結 3,687 -24.7%
アジア・オセアニア計
(連 結 合 計)
20,074 -10.5%
11,782 -13.4%
ブラジル 連結 1,314 -7.3%
メキシコ 連結 3,955 1.0%
米国 連結 718 6.1%
米州計 5,987 -0.4%
ヨーロッパ計 701 3.6%
合        計
(連 結 合 計)
26,762 -8.1%
18,470 -9.0%
(出所:ヤクルト本社の連結決算発表補足資料より)