比ヤクルト、第2工場(ミンダナオ島)で生産開始

生産能力6割増強へ、海外第3位市場の需要増に対応

2024/05/21

 ヤクルト本社は、5月20日、「持分法適用会社であるフィリピンヤクルト株式会社(比ヤクルト)の100%子会社であるヤクルトエルサルバドール製造株式会社(フィリピンヤクルト第2工場、資本金20億円)において、『ヤクルト』の生産を開始した」と発表した。

 比ヤクルトは1977年5月25日に設立され、翌年の1978年10月に事業を開始、すなわち昨年に創業45周年を迎えたのである。ルソン島南部のラグナ州カランバ市に立地するカランバ工場(第1工場)にて『ヤクルト』の生産を開始し、現在は『ヤクルト』、『ヤクルトライト』の生産を行っている。現在の生産能力は1日470万本である。

 フィリピンヤクルト第2工場は、ミンダナオ島北部のミサミス・オリエンタル州エルサルバドール市に位置しており、ミンダナオ島以南およびビサヤ地方における、市場深耕による需要増加に対応していく。生産品目は、『ヤクルト』と『ヤクルトライト』であるが、当面は『ヤクルト』のみを生産予定である。生産能力は生産開始時に1日138万本、設備増強後の最大生産能力は1日276万本となる見込み。すなわち、フル稼働時には比ヤクルト全体で同746万本(第1工場470万本、第2工場276万本)まで拡大、現在の生産能力を約56%上回る見込みである。
 
 比ヤクルトの1日平均販売数量は、2011年から2019年まで9年連続で販売本数が増加、そのうち2014年から2018年までは5年連続の二桁増加という成長を見せた。2007年に1日当たり販売本数は100万本の大台突破、2015年に同200万本突破、2018年は同300万本台突破と順調に拡大してきている。2020年は世界的な新型コロナパンデミックで10年連続の増加はならなかったが、僅かな減少にとどまった。そして、2021年は同16.8%増の353万9千本、2022年は同6.7%増の377万7千本と2年連続で過去最高記録を更新するに至った。

 2023年(1月~12月)の比ヤクルトの1日当り販売数量は前年比2.6%減の368万1千本だった。小幅減少は2022年までの2年連続の過去最高更新の反動という要素もある。依然、過去最高に近い水準での推移であり、新型コロナパンデミック発生直前2019年の319万6千本からは約15%増加している。2014年第1四半期は373万8千本に達し、海外ではインドネシアの559万本、メキシコの395万5本に次ぐ世界第3位となっている。

 ヤクルトフィリピンの1日当たり販売数量推移(単位:千本、伸び率は前年比もしくは前年同期比)
13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年1Q  
数量 1,594 1,877 2,139 2,449 2,762 3,088 3,196 3,030 3,539 3,777 3,681 3,738 
伸び率 6.2% 17.7% 14.0% 14.5% 12.8% 11.8% 3.5% -5.3% 16.8% 6.7% -2.6% -4.4% 
(出所:ヤクルト本社決算発表補足資料などから作成)