4月の失業率4.0%、2カ月連続で加速も依然低水準

失業者前年比9.5%減の204万人、若年層が3割占める

2024/06/07

 フィリピン統計庁(PSA)は6月6日、2024年4月の失業率が4.0%(速報値)となり、前年同月の4.5%から0.5%ポイント低下したが、前月(2024年3月)の3.9%から0.1%ポイント上昇した。2カ月連続で加速、2024年1月の4.5%以来、3カ月ぶりの4%台への上昇となったが、歴史的には依然低水準。

 2024年4月の15歳以上の人口は前年同月比1.8%増の7,862万人、労働力人口は同0.2%増の5,040万人。労働参加率は64.1%で、前年同月(65.1%)、前月(65.3%)から低下した。

 失業者数は前年同月比9.5%減の204万人。年齢層でみると、15歳-24歳が全体の33.7%、25歳-34歳が36.7%と合計で全体の70.4%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は31.7%(卒業者は22.0%)、大学進学・卒業者が41.4%(卒業者は32.1%)だった。性別では、男性60.6%、女性39.4%と男性が上回っている。

 就業者数は前年同月比0.6%増の4,836万人。業種別では、農業部門が20.3%(前年同月21.9%)、鉱工業部門が18.3%(同17.0%)、サービス部門が61.4%(同61.0%)だった。サブセクターで、年間増加数の多かった上位5業種は、宿泊・飲食サービス業、建設業、輸送・倉庫、製造業、その他サービス活動。最も減少した上位5業種は、農林業、卸小売業・自動車修理業、ヒトの健康・社会福祉活動、行政・防衛(社会事業)、不動産業。

 賃金・給与労働者が就業者全体の63.6%を占めた。その中で、民間企業労働者が依然最も高い割合を占め、賃金・給与労働者全体の78.7%、就業者全体の50.0%を占めている。政府系企業社員・公務員が就業者全体の8.9%、自営・事業主は全体の30.0%を占めた。週平均労働時間は40.5時間(前年同月36.9時間)。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の66.5%(同54.3%)だった。

 一方、不完全就業者(職に就いているが調査期間中に働いていなかったり、労働時間が報告されていない就業者を含む)数は前年同月比13.4%増の704万人。不完全就業率は14.6%(前年同月12.9%)。不完全就労者全体の61.4%が労働時間週40時間以下だった。

 フィリピン労働力調査(LFS)
項目 23年4月 24年3月 24年4月
15歳以上人口(単位:千人) 77,260 78,315 78,617
労働力参加率(%) 65.1 65.3 64.1
失業率(%) 4.5 3.9 4.0
不完全就業率(%) 12.9 11.0 14.6
週平均労働時間(h) 36.9 40.7 40.5
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、2023年3月以外は速報値)

 フィリピンの失業率等の比較(単位:%)
全国 労働参加率 失業率 不完全就業率
2019年 61.3 5.1 13.8
2020年 59.5 10.3 16.2
2021年 63.3 7.8 15.9
2022年 64.7 5.4 14.2
2023年 64.9 4.3 12.3
 
2023年 4月 65.1 4.5 12.9
5月 65.3 4.3 11.7
6月 66.1 4.5 12.0
7月 60.1 4.8 15.9
8月 64.7 4.4 11.7
9月 64.1 4.5 10.7
10月 63.9 4.2 11.7
11月 65.9 3.6 11.7
12月 66.6 3.1 11.9
2024年 1月 61.1 4.5 13.9
2月 64.8 3.5 12.4
3月 65.3 3.9 11.0
4月 64.1 4.0 14.6
1-4月 63.8 4.0 12.9
(出所:PSA資料より作成、2023年3月以降全て速報値)