政府のGDP成長率目標、2024年は6.0~7.0%を継続

前提:インフレ3~4%、原油70~85ドル、1ドル56~58ペソ等

2024/06/28

 開発予算調整委員会(DBCC)は、6月27日、第188回会合を開催、最近の内外情勢を分析するとともに、政府の2028年までの中期マクロ経済に関する前提や財政計画、成長率目標の見直しを行った。

 DBCCは政府の経済関係部署の横断機関であり、マクロ経済目標決定などの役割を担っている。具体的な構成機関は予算管理省(DBM)、財務省(DOF)、国家経済開発庁(NEDA)、中央銀行(BSP)、大統領室(OP)である。

 今回の見直しにおいて、外部からの逆風などにもかかわらず、2024年~2028年までの実質(以下同様)GDP成長率目標継続が決定された。具体的には、2024年が「6.0%~7.0%」、2025年が「6.5%~7.5%」、2026年から2028年までが「6.5%~8.0%」である。

 成長率目標の前提条件に関しては、平均インフレ率が2024年が「3.0%~4.0%」へと、下限がこれまでの2.0%から引き上げられたが、2025年から2028年までは、これまでの2.0%~4.0%が継続された。ペソ対米ドルレートに関しては、2024年が「1米ドル=56ペソ~58ペソ」で、これまでの「55ペソ~57ペソ」からペソ安方向へと変更された。2025年から2028年までは、これまでの「55ペソ~58ペソ」が継続されている。

 ドバイ原油価格については、2024年が「1バレル70米ドル~85米ドル」で、これまでの「70米ドル~90米ドル」から上限が低くなった。2025年から2028年までは「65米ドル~85米ドル」が継続された。物品輸出増加率については、2024年が5.0%でこれまでの3.0%から上方修正された。2025年から2028年までは、これまでの6.0%が継続された。物品輸入増加率については、2024年が2.0%でこれまでの4.0%から下方修正された。2025年は5.0%へと下方修正され、2026年から2028年までは8.0%が継続された。

 フィリピンのGDP実質成長率の推移と目標(2018年基準、単位:%)
16 17 18 19 20 21 22 23 24目標 25目標 26~28目標
伸び率 7.1 6.9 6.3 6.1 -9.5 5.7 7.6 5.5 6.0~7.0 6.5~7.5 6.5~8.0
(出所:DBCC資料より作成、目標は2024年6月27日のDBCC継続数値)

 マクロ経済目標・見通しの前提条件(2024年6月27日設定)
経済指標 2024年 2025年  2026年~28年
インフレ率(%) 3.0~4.0 2.0~4.0 2.0~4.0
ドバイ原油価格(米ドル/1バレル) 70~85 65~85 65~85
外国為替レート(ペソ/米ドル) 56~58 55~58 55~58
物品輸出増加率(BPM6基準) 5.0% 6.0% 6.0%
物品輸入増加率(BPM6基準) 2.0% 5.0% 8.0%
(出所:DBCC資料より)

 これまでのマクロ経済目標・見通しの前提条件(2024年4月4日設定)
経済指標 2024年 2025年  2026年~28年
インフレ率(%) 2.0~4.0 2.0~4.0 2.0~4.0
ドバイ原油価格(米ドル/1バレル) 70~90 65~85 65~85
外国為替レート(ペソ/米ドル) 55~57 55~58 55~58
物品輸出増加率(BPM6基準) 3.0% 6.0% 6.0%
物品輸入増加率(BPM6基準) 4.0% 7.0% 8.0%
(出所:DBCC資料より)