中央銀行、24年のインフレ率予想を3.3%に上方修正

25年は2.9%へ下方修正、26年は3.3%に(リスク調整ベース)

2024/08/16

 フィリピン中央銀行は(BSP)は、8月15日の政策金利0.25%引き下げ決定に際して、リスク調整総合インフレ率予想を変更した。

 2024年のリスク調整総合インフレ率予想は、これまでの3.1%から3.3%へと上方修正された。2025年予想については、これまでの3.1%から2.9%へと再下方修正された。2026年予想は3.3%とされた。いずれも、2023年実績の6.0%からは大幅減速、インフレ目標(2%~4%)の中間値前後と予想されている。

 なお、インフレ率予想(Forecast)とインフレ目標(Target)が混同されることもあるが、両者は全く異なるものである。予想は単純な見通しであり環境が変化すればその都度変更されるものである。インフレ目標(Target)は金融政策の基本的枠組みであり、それを基準として各種政策が決定されるものであり頻繁に変更されるものではない。

 フィリピンの総合インフレ率推移(2012年基準と2018年基準との比較)
16年 17年 18年 19年 20年 21年  22年  23年  24年予  25年予  26年予 
2018年基準  N.A.   N.A.  5.2% 2.4%  2.4%  3.9%  5.8%  6.0%  3.3%  2.9%    3.3%
2012年基準 1.3% 2.9% 5.2% 2.5% 2.6% 4.5% N.A.    N.A.     N.A.     N.A.      N.A.  
インフレ目標 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4%  2~4%  2~4%  2~4%  2~4%    2~4% 

(出所:PSA資料などより作成、2024年以降の予想はBSPの2024年8月15日時点のリスク調整ベース予想値)