24年の卸売物価上昇率2.5%、前年の4.9%から減速

地域格差拡大、ルソン2.4%、ビサヤ4.1%、ミンダナオ1.7%

2025/01/30

 フィリピン統計庁(PSA)の速報データによると、2024年12月の全国一般卸売物価指数(GWPI、2012年=100)の前年同月比上昇率は2.7%となり、11月(2.3%)から加速したが、前年同月(4.3%)からは減速した。その結果、2024年通年の平均上昇率は2.5%となり、前年の4.9%から大幅減速した。

 12月のGWPI上昇ペースの加速は、主に、動植物油脂を含む化学製品の指数が11月の6.6%上昇から12月には8.7%上昇へと大幅に加速したことによる。加えて、燃料を除く非食品原料(11月33.1%上昇→12月50.8%上昇)、たばこ・飲料(11月1.3%上昇→12月2.1%上昇)、機械・輸送機器(11月0.6%上昇→12月1.0%上昇)の上昇ペースが加速したのも押し上げ要因となった。また、鉱物燃料・潤滑油類(11月3.5%低下→12月0.8%低下)の下落幅縮小も寄与した。一方、減速したのは、食品(11月2.7%上昇→12月2.5%上昇)や雑工業品(11月0.2%上昇→12月0.1%上昇)などだった。

 地方上昇率については、ルソン地域が2.8%(11月2.4%)、ミンダナオ地域は1.1%(同0.7%)と加速した一方で、ビサヤ地域は1.7%(同2.0%)と減速した。2024年年間の平均上昇率は、ルソン2.4%(前年4.9%)、ビサヤ4.1%(同4.6%)、ミンダナオ1.7%(同4.3%)であった。
 
 12月の全国一般卸売物価指数上昇率2.7%は、消費者物価指数(CPI)上昇率2.9%(2018年=100)を下回ったが、基準年が異なることなどに留意する必要がある。

 フィリピン一般卸売物価指数の年間上昇率の推移(2012年基準、単位%)
時期 全国 ルソン ビサヤ ミンダナオ
2019年平均 1.6 1.6 2.2 1.9
2020年平均 2.5 2.5 0.9 1.6
2021年平均 3.1 3.2 0.4 4.6
2022年平均 7.3 7.7 5.3 4.2
2023年平均 4.9 4.9 4.6 4.3
 
2023年12月 4.3 4.2 5.7 3.5
2024年 1月 3.5 3.4 5.8 2.3
2月 2.8 2.6 6.1 2.5
3月 2.5 2.3 6.0 1.9
4月 2.6 2.4 6.7 1.1
5月 2.3 2.2 5.6 1.9
6月 2.6 2.4 5.0 2.5
7月 2.4 2.3 3.3 1.6
8月 1.9 1.8 3.1 2.4
9月 2.0 2.0 2.4 1.6
10月 2.1 2.3 2.1 1.2
11月 2.3 2.4 2.0 0.7
12月 2.7 2.8 1.7 1.1
12カ月間 2.5 2.4 4.1 1.7
(出所:PSA資料より作成)