中央銀行、25年のインフレ率予想を1.6%へ大幅下方修正

政府目標の下限以下に、26年は3.4%、27年も3.3%で目標内に

2025/06/20

 フィリピン中央銀行は(BSP)は、619日の政策金利0.25%引き下げ決定に際して、リスク調整総合インフレ率予想を修正した。

 2025年の総合インフレ率予想は、410日時点の2.4%から1.6%へと大幅下方修正された。すなわち、政府のインフレ目標(2%4%)の下限以下に低下すると見られている。一方、2026年予想は3.3%から3.4%へと小幅上方修正された。2027年も3.2%から3.3%へと小幅上方修正された。両年ともに、政府インフレ目標内におさまると予想されている。

 なお、インフレ率予想(Forecast)とインフレ目標(Target)が混同されることもあるが、両者は全く異なるものである。予想は単純な見通しであり環境が変化すればその都度変更されるものである。インフレ目標(Target)は金融政策の基本的枠組みであり、それを基準として各種政策が決定されるものであり頻繁に変更されるものではない。

 フィリピンの総合インフレ率推移(2012年基準と2018年基準との比較)
16年 17年 18年 19年 20年 21年  22年  23年  24年  25年予  26年予   27年予 
2018年基準  N.A.   N.A.  5.2% 2.4%  2.4%  3.9%  5.8%  6.0%  3.2%  1.6%    3.4%  3.3%
2012年基準 1.3% 2.9% 5.2% 2.5% 2.6% 4.5% N.A.    N.A.     N.A.     N.A.      N.A.    N.A 
インフレ目標 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4%  2~4%  2~4%  2~4%  2~4%    2~4%   2~4%
 (出所:PSA資料などより作成、2025年以降の予想はBSPの2025年6月19日時点の予想値)