パナソニック現法(PMPC、PSE上場)、25年3月期は91%増益

売上19%増の169億ペソ、構成比:冷蔵庫41%、エアコン28%等

2025/07/11

 フィリピン証券取引所(PSE)に上場している、パナソニックのフィリピン製造拠点であるパナソニック マニュファクチャリング フィリピン(比パナソニック、証券コード:PMPC、会計期末3)が、7月10日、20253月期(20244月~20253)の年次報告書(アニュアルレポート)を発表した。その報告書に記載されている20253月期の業績は、6月に発表された速報値と同じであった。
 
 年次報告書によると、253月期の売上高は前期比(以下同様)18.6%増の169205万ペソに達した。冷蔵庫、エアコンが国内販売、輸出ともに好調だったこと、販促硬貨、販売店が在庫積み増しを積極化させたことなどで二桁増収となった。国内売上高比率が79.1%、輸出比率が20.9%。製品別売上高構成比率は冷蔵庫41.3%、エアコン27.8%、洗濯機17.3%、その他13.6%であった。
 
 製造原価も18.8%増加したが、二桁増収効果などにより粗利益は17.7%増の317,305万ペソとなった。販売費が16.9%増加、一般管理費も12%増加したが、金利収入や火災事故に関する保険金の受領等その他収入が3.4倍の39,511万ペソへと急増したこともあって、純利益は91.4%増の52,155万ペソに達した。
 
 PMPCの起源は、19635月に設立されたフェスティバル・マニュファクチャリング(FMC)であり、このほど創業62周年を迎えた。FMCは、1965年、プレシジョン・エレクトロニクス(PEC)と社名変更した。このPECと松下電器産業(MEI、社名は当時)1967年にフィリピンで合弁家電企業を設立した。当初の合弁企業名はPECだったが、25年後の1992年にマツシタ・エレクトリック・フィリピン(MEPCO)と変更された。さらに、2005年に現社名PMPCへと再変更された。

 19831月には、フィリピン証券取引所(PSE)に上場された。すなわち、一昨年1月に上場40周年を迎えた。現在、PMPCは額面1ペソの普通株式を約42,272万株発行している。そのうち、フィリピン人のみが投資可能なA株約8,472万株が上場されている。浮動株比率は14.93%、日本のパソニック本社のPMPC保有比率は20253月末時点で79.96%である。パナソニック本社の保有するのはPMPCB株である。

 表1.パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピン(PMPC)業績推移(単位:万ペソ)
項目 21年3月期 22年3月期 23年3月期 24年3月期 25年3月期 伸率
売上高 1,088,310 1,259,053 1,517,832 1,425,125 1,690,205 18.6%
粗利益 256,628 250,411 253,339 269,559 317,305 17.7%
税引前利益 47,865 20,184 25,589 33,642 73,295 117.9%
所得税費用 12,063 7,793 5,876 6,392 21,140 230.7%
純利益 35,802 12,392 19,713 27,250 52,155 91.4%
(出所:PMPCの年次報告書などより作成)
 
 表2.PMPCの製品別・地域別売上構成比率
製品別 23年3月期 24年3月期 25年3月期
冷蔵庫 42.4% 44.0% 41.3%
エアコン 25.8% 27.3% 27.8%
洗濯機 19.2% 17.1% 17.3%
その他 12.6% 11.6% 13.6%
合計 100.0% 100.0% 100.0%
       
地域別  23年3月期  24年3月期  25年3月期 
国内 81.7%  81.9% 79.1% 
輸出  18.3%  18.1%  20.9% 
合計 100.0%  100.0%  100.0% 
(出所:PMPCの年次報告書などより作成)