横浜ゴム、アジアの営業利益3.2倍へ急増
2014/08/09
上半期41億1千万円、全営業利益の17%超に
横浜ゴム(東京都港区)が2014年度上半期連結決算(2014年1月~6月)を発表した。
それによると、今上半期の売上高は前年同期比5.3%増の2,839億円、営業利益が同23.8%増の236億円、経常利益が同9.6%増の226億円、純利益が同38.4%増の180億円となり、過去最高の売上と利益を達成した。主力のタイヤ事業は国内、海外ともに好調に推移し、工業品事業とその他の事業はホース配管、シーリング材、ゴルフ用品が伸びた。原材料価格の低下や為替円安も利益を押し上げた。
タイヤ事業は売上高2,219億円(前年同期比5.7%増)、営業利益185億円(同33.4%増)の増収増益となった。国内新車用は消費税増税前の駆け込み需要や低燃費車への納入拡大、新型車への新規納入獲得により大幅に伸びた。国内市販用は消費税増税前の駆け込み需要や降雪の影響により夏用、冬用ともに好調だった。海外市場はロシアなどで需要低迷が続いたが、北米、欧州、中国で販売が回復した。
所在地別では、アジアの売上高が前年比15%増の253億1,800万円、営業利益は同221%増(約3.2倍)の41億1,400万円へと大幅増加、全体の最高益更新に寄与したことが目立つ。アジアの営業利益は全体の17.4%を占めた。所在地別のアジアとはフィリピン、タイ、中国、台湾である。
なお、フィリピンの拠点であるヨコハマタイヤ・フィリピン(YTPI)は、1996年にクラーク特別経済区において、輸出向け乗用車用タイヤの生産拠点として設立された。現在、主に内径13~18インチの乗用車用タイヤ及びSUV用タイヤを生産し、その大半を北米、欧州、ASEAN諸国に輸出しているほか、北米、アジア諸国の自動車メーカーにもOEM納入している。初めてクラーク特別経済区に進出した国際企業であり、経済、社会貢献、環境保護活動が高く評価されている。
YTPIは2013年5月に第2次拡張工事を開始した。第2次拡張では年間250万本の生産能力拡大を行う計画である。2014年秋から量産を開始、2015年にはフル生産に入る計画。第2次拡張計画完了時点でYTPIの年間生産能力は1,250万本に達する見込み。(14年8月8日の横浜ゴム株式会社ニュースリリースなどより)。