鉱業投資環境度、フィリピン88位(93地域中)と低評価

2012/02/26

 テロ攻撃に対する安全度では最下位に

 フィリピン政府は、鉱業をフィリピン経済の成長エンジンの一つと位置付けている。しかし、解決すべき課題も多そうである。


 カナダのシンクタンク「フレイザー・インスティテュート」が2月23日に発表した「2011~12年鉱業投資環境調査」においては、フィリピンの鉱業投資環境度は世界でもほぼ最低水準との評価となっている。、

 この鉱業投資環境調査は、鉱業関連のインフラ、税制、労働問題、環境問題などを総合的に評価したもので、今回は世界93カ国・地域が評価対象となっている。

 今回の投資環境ランキングにおいて、総合第1位はカナダのニュー・ブランズウイック州であった。以下、2位フィンランド、3位はカナダのアルバータ州、4位米国ワイオミング州、5位カナダ・ケベック州と続く。
 一方、総合最下位の93位はホンデュラス、92位はグアテマラ、91位はボリビア、90位はベネズエラ、89位はインドであった。

 フィリピンは最下位から6番目の88位と非常に低い評価となっている。そして、前回の66位(79カ国・地域対象)から更に低下した。
 項目別では、「テロリストやゲリラグループの攻撃に対する安全度」、「社会経済合意・地域社会開発」では最下位の93位であった。「労働法整備や労務問題」91位、「土地所有権問題の安定度」で88位、「インフラ整備」で86位、「関連法・規則の一貫性」で84位、「政局安定度」で83位など、いずれも低い評価であった。

 フィリピンは、鉱業への投資誘致のために、治安、地域社会との融合、煩雑な認可手続きや二重課税問題などに関しての改善努力が求められているといえよう。