対外負債残高、4.3%増の624億ドル:11年9月末

2011/12/30

対GDP比率28.4%へ改善(前年同月末31.3%)
円建て比率28.6%、ドル建て46.5%に次ぐ2位

 中央銀行によって承認・登録された2011年第3四半期末(9月末)の対外負債残高(官民合計:以下同様)は前年同期末比4.3%増、前期末比1.6%増の624億ドル。前年末(2010年)の600億ドルより4.0%増加した。日本円など主要通貨に対するドル安が影響した。

  2011年第3四半期末の対外負債残高の対GNI(国民総所得)比率は21.6%で前年同期末23.4%、前年末(2010年末)の21.8%から改善。また、対GDP比率は28.4%で前年同期末の31.3%、前年末の28.8%から改善した。

 対外負債デッドサービス・レシオ(対外債務の元利支払い総額の物資輸出やサービス等からの収入合計に対する比率)は8.3%で、前年同期末(8.8%)、前年末(8.6%)から改善した。

 2011年9月末現在の総外貨準備高(GIR)は752億ドル。総外貨準備高(GIR)対短期負債(元本ベース)比率は10.5倍、GIR対短期負債(残高ベース)比率は7.3倍だった。

 対外負債残高のうち中長期負債(元本ベースの返済期限1年以内)比率は88.6%。中長期負債の満期までの平均期間は22.4年(公的部門24.2年、民間11.4年)。

 第3四半期末の対外負債残高のうち公的機関によるものが479億ドル(76.7%)、民間によるものが146億ドル(23.3%)であった。
 
 一方、対外負債の外貨別構成比は、米ドル建て46.5% 、円建て28.6%、世界銀行・アジア開発銀行などからの複数通貨建て10.6%、その他外貨建て借款14.2%だった(11年12月29日のフィリピン中央銀行発表より)。


 フィリピン対外負債残高(公的セクターと民間合計)推移

年・月 年末値 第3四半期
01年 02年 03年 04年 05年 06年 07年 08年 09年 10年 10年 11年
対外負債残高(億米ドル) 520 538 576 550 544 539 555 543 549 600 598 624
対GNI比(%) 57.8 55.8 56.0 48.9 41.9 35.1 29.6 24.7 24.5 22.6 23.4 21.6
対GDP比(%) 68.2 66.1 68.6 60.2 52.7 44.1 37.1 31.3 32.6 30.1 31.3 28.4
デッド・サービスレシオ(%) 15.7 17.1 16.9 13.8 13.5 12.0 10.1 9.7 10.4 8.6 8.8 8.3
GIR対元本ベース短期負債(%) 261.5 294.4 276.2 321.6 289.2 458.5 476.5 536.4 1105.4 990.8 936.2 1051.9
GIR対残高ベース短期負債(%) 140.4 149.0 154.7 163.0 164.6 251.3 300.7 333.2 518.2 591.8 547.1 728.9
(出所:中央銀行資料より作成)